幼馴染の彼女をNTRされても僕は絶対許すマン、しかしもう一人の学園一の美少女である幼馴染が「それが許されるのはサバンナだけ、動物園では許されない」と恫喝する。僕は2人の幼馴染とそっと距離を取るが…?
最後の始まりは、昔の変わらないプロローグ〜桜の木の下・女の子達の約束
恋(全年齢)の終わり→愛(R15)の始まり〜女の闘い、それは♥ルートエンド
最後の始まりは、昔の変わらないプロローグ〜桜の木の下・女の子達の約束
「メグミちゃんのお母さん、可愛らしいですねぇ…メグミちゃんにそっくり。」
「まぁ、年齢よりは若く見えるんじゃない?」
入学式、それは出会いであり、この二人にとっては始まりだった。
今、メグミという女の子に話しかけたのはサラという小柄な少女。
二人の始まりは太郎という『大好きな兄』『大好きな先輩』の繋がりだった。
メグミは普段話さない、兄の良い所をペラペラ話し続け、それをサラは聞き漏らさない様にウンウンと頷いていた。
そして式の終わり頃、後ろを振り向くサラ。
(結局、母さん来なかったな…まぁそうだろうな。こうなるの分かってたし…期待してないし。)
サラの母は、姉でありモデルや女優で活躍しているシアのマネージメントに近い事をしており、この時はまさに人気絶頂であった娘の事で、シングルマザーという事もあり、他に手が回っていなかった。
(フンッ!知ってたよーだ!)
「そうだ、帰りの母さんと兄さんとスマホを買いに行くんだ。もし良かったらくるか?特別に兄の連絡先を知る権利を与えよう」
「えぇ、本当ですか?それはありがたき幸せ!」
何故か部下みたいなポジションになっているサラ。
それでもメグミ…そして太郎の母を見ていると考える。
自分にもこの人達みたいに、普通の家族であったらどれほど幸せだったか?親が離婚しなければ…母が華やかな世界の人でなければ…もし姉がいなければ…その時、保護者席に知ってる人物を見かけた。
その人は目立たないシックな礼服にマスクと…多分ウイッグとコンタクトだろう。
見事なまでに保護者に混ざる…姉のシアだった。
(お姉ちゃん…どういうつもりなの?)
「お久しぶりです!タロァの母さん、それと蘭子も!」
「シアちゃん、綺麗になったわねぇ!」
「すっかり芸能人だねぇ(笑)」「蘭子!煩い!」
式も終わりメグミに付いて行くサラ…するとメグミちゃんのお母さんと、見た事ある現在3年生の太郎の幼馴染の蘭子と…談笑する姉のシアがいた。
その姿を複雑な気持ちで見るサラ。
「サラ!元気だった?ママ来れないから私が来たよ!分かったかな?」
「…お姉ちゃん、新しいクラスには行ってないの?」
バツの悪そうにするシア、何とも言えない表情のサラ。
「まぁ、クラス発表なんか意味ないからね、3年なんて皆お受験だし。まぁ私は太郎と同じクラスになったけどぉ?」
太郎という名前と同時にシア、サラ、メグミが蘭子を見る。
様々な、感情的な目が蘭子を刺す。
「いやいや、私に敵意剥き出しにされても困っちゃうから、それ違うから(笑)」
パンッと手を柏手をうつ蘭子。
「まぁ選ぶのは太郎、私達がいがみ合っても太郎を困らせるだけだよ?誰がうまくいくかわからないけどさ、フェアにやろうよ」
それぞれ、思い思いに溜息が出ていた。
蘭子は思った。長年一緒にいて、一度付き合って、太郎の自分への認識がハッキリとした気がした。
クラスが一緒になって、会話して、より強く感じていた。
太郎は誰にも恋愛をしていない。あるのはシアへの後悔だけ。だけど、満足だった。
何となく、自分の出番はもうない。
だから太郎が、シアを取り戻すのか?サラに初めての気持ちが湧くのか?メグミと共に歩むのか?
自分は傍観者に、だけど太郎が望む平穏な関係作りに回ろうと思った。
いや、メグミは駄目だろと思ったら、顔に出ていた様でメグミに睨まれた。
「分かりましたよ、負け犬蘭子さん…私達4人、どうなっても恨みっこ無しですよ」
「メグミちゃんズルいですよ!一緒の家に住んでるなんて!」
「そうだよ!メグミズルい!私なんて会えないんだぞ!」
それぞれが1人の男について、やいのやいの言っている。
――――――恨みっこなしだよ――――
その4人の誓いに、桜の花びらが祝うように散っていた。
「あーあ、私も行きたかったな!スマホ買いに行くの!」
「仕方ないでしょ?タロァもどっか行っちゃったし、また仕切り直しなんだから…それより今日、夜遅くなるけど皆でご飯、行けたら行きたいね」
結局、入学式の終わりまで太郎は現れなかった。
その時、彼は校舎裏でボコボコにされていたが…4人は何も知らない。
「お姉ちゃんさ…もう先輩、太郎さんの前に現れない方がいいと思うよ…」
シアは無言で歩く…まるで『その話は受け入れられない』と言わんばかりに。
「私が…先輩は私が幸せにするから…お姉ちゃんが現れると…先輩おかしくなっちゃうから…」
シアの顔が歪む…複雑な感情が巡る…モデルや芸能の世界に入り、世界の広さを学んだシアだが…
どんな辛い事でも苦しい事でも耐えられたのは、太郎への思いだった。そして日に日にそれは強くなっていく。
「お姉ちゃんは何だって手に入れて…今だってもっとイケメンで、仕事もお金も凄い人達と知り合うでしょ?その人達の中か『サラッ!それ以上は駄目!』
妹に声を荒げた事の無い姉、シアが声を荒げた。
「え、選ぶのは…タロァだから…時間は沢山ある…と思うから…タロァに…タロァ…ウゥ…サラ、ごめん。私、仕事あるから…夜にはママ帰ってくると思う…」
太郎の名前を出した時、涙が溢れてしまい姉のプライドなのかそれを隠そうと手だけで別れの挨拶をするシア。
しかし妹で、同じ男を好きになった女はそれを許さなかった。
「そうやってまたっ!決めないで逃げるんだ!?先輩との事、何となくだけど聞いたんだ!お姉ちゃんが逃げたんでしょ!?周りの事ばっかり気にして!先輩の事を考えてるようで逃げ出したんだっ!」
シアは、上げた手でそのままビンタする勢いで振り返ったが…サラも泣いていた。
悔しい、何でお姉ちゃんが、いつもお姉ちゃんばかり…手に入れてもすぐに放り投げる姉ばかりに…
妹もまた感情を姉に出した事はなかった、その妹がまるで蓄積された怒りを向ける様に睨んでいた。
「ご、ごめんサラ…わたし…あぁ…ごめん!」
シアは逃げ出した…泣きながら妹の視界から外れると同時に泣き崩れた。
何も成長していない…何もできていない…欲しい物は何一つ手に入らない…太郎との事、家族の確執、何も出来ない無力な自分に泣いた。
「嘘つき…逃げるなぁっ!嘘つきいいいっっ!!」
サラも叫びながら泣いていた。どこかで憧れ、尊敬していた姉。
勝手なのも気付いていた。太郎と姉が付き合っても、自分と母親が仲が悪かろうと何でも良かった。
ただ彼女は覚えている…幼い頃の言葉を。
―――シャラが困ったらオネェちゃんがたすけるからネ―――
「嘘つきぃ…グスッ…先輩は…渡さないもん…」
仲の良い姉妹だった。周りに流され、仲の良い姉妹は悲しみと憎しみに飲み込まれていった。
そしてその頃、メグミは怒り心頭で太郎の部屋にいた。
「約束から逃げるお兄ちゃん!許さないお兄ちゃん!どうなっても知らないからね…お兄ちゃん!」
彼女は太郎の下着や肌着を引っ張り出して何かした。
いわゆるマーキングである…
「おにいひぃ!♥ワルな鬼いッ!♥誑かし鬼いちゃ!♥クヒイイッ♥わらしぃのっ!♥いろりそめりゅぅッ!♥」
机の角、鉛筆やら笛やら棒状の物、布団、枕、個人の所有物に何かするメグミ、裸で。
所謂、マーキングである…
先に帰っていた蘭子は隣の家で思った。
「ありゃあ、手遅れかも知れないな…」
※前回意味不明ですいません。こちらが本編最終章のプロローグです。間違えて耐久の番外編がこっちに…まぁ良いやって思いましたがむちゃくちゃっすね…愛してますよ!
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