終戦
チームレジェンズvsチームルーザー 決着
チームレジェンズ対チームルーザー、全七試合終了。
第一試合。
アーサー・ペンドラゴン対
勝者、チームレジェンズ。アーサー・ペンドラゴン。
第二試合。
レオニダス対スパルタクス。
勝者、チームレジェンズ。レオニダス。
第三試合。
勝者、チームルーザー。ブーディカ。
第四試合。
レオナルド・ダ・ヴィンチ対モーツァルト。
勝者、チームレジェンズ。レオナルド・ダ・ヴィンチ。
第五試合。
ジャック・ザ・リッパー対
勝者、チームルーザー。荊軻。
第六試合。
モルガン・ル・フェ対ドン・キホーテ。
勝者、チームルーザー。ドン・キホーテ。
第七、最終試合。
勝者、チームレジェンズ。塚原卜伝。
総合戦績、四対三。
勝者は絶対王者、チームレジェンズ。
誰もが予想していた結果だ。誰もが予想していた勝利だ。
だが、その内容はまるで違って、まるで誰にも理解など出来ず、説明も出来ず、弁明も出来ず、納得もし難いものに終わった。
勝つには勝ったが、辛勝も辛勝。今まで通りの完勝には遠く、快勝とも言い難い。
戦いの始まりから終わりまで、誰がこのようなギリギリの戦いになるだなんて予想出来ていただろうか。
出来ていたとすれば、それはただ一人。この男に違いない。
その顔は敗者ながらに清々しく、蘆屋道満が倒れた戦場に満面の笑みを湛えて現れた。
「Good Job! 最高だ! 最高のエンターテインメントだった! 紳士淑女、ちびガキからジジィババァまで楽しめただろ?! It‘s the best Entertament!!! どっちが勝つか分からない、ハラハラドキドキのシーソーゲーム! 最っ高だっただろ?!」
どっちが勝ったのかわかりゃしない。
意気揚々、声高々に演説する南條の立ち居振る舞いは、最早勝者のそれだった。
「結果は俺達の負けだ! 言い訳の余地もねぇ! だが、ここにいる誰もが思った筈だ……絶対的勝者など、この世にはいないと!!! 絶対王者と言われ続けたチームに、俺達無名のチームでさえこれだけ喰らいついた! これだけ追い詰めた! 勝ちを諦めていた奴ら、勝利を捨てた奴ら、てめぇら重い腰を上げろ! 絶対王者を誰が引き摺り下ろすか! これから始まるのはそういう競争だ! もちろん俺達も譲る気はねぇ! チームレジェンズ! そしてここに集まったチーム、集まらなかったチームの野郎ども! 奮い立て! そして戦え! 最強のチームはどこか、真の勝敗を決めようじゃあねぇか!!!」
戦いには勝った。勝負にも勝った。
だけど勝者として振る舞うには、ポラリスの精神状態はまともではなかった。
この激戦を制したが如く振る舞い、演説する南條を止める事も出来ず、戦いを制した勝者として表に出る事も出来なかった。
巴、ジャック、モルガンを喪い、アーサーは片腕、レオニダスは宿していた異能、卜伝は左目を失って、無事なのはレオナルド一人。
圧倒的敗者を迎え撃つのに、払った代償が大き過ぎる。そして今、南條の演説によって、闘志を燃え上がらせる転生者達。
逃げ場がない中、狙われる恐怖。
ずっと護り、温め続けていた最強の椅子を皆が狙って来る。それを迎撃出来るだけの力を、今しがた失ってしまった。
チームレジェンズ総監督ポラリス失脚のカウントダウンが、始まりつつあった。
「さぁ、エンターテインメントの始まりだ。俺達も次の戦いの準備を始める。俺達が勝つまで! せいぜい足掻きなチームレジェンズ! 次に勝つのは、俺達だぁ。ケッケッケッ! ケッケッケッケッケッ!!!」
こうして、絶対王者と圧倒的敗者の戦いは終わった。
しかし同時、この時南條の行なった演説が火種となり、次代絶対王者決定戦までの長き戦いの始まりとなるのだが、それはまた、別の話である。
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