ファイル4

 走り出したミニバラ、彼女が発見したビルに情報がある事を突き止めたのである。ビルと言っても、高層ビルというわけではない。


『ここに情報が……』


 ミニバラが内部へ突入しようとするが、ここは大型アーマーが入られそうなスペースがなく、メインアーマー以外はパージも止む得ず……という具合である。


 その後、様々なやり取りをしていく内に情報を入手し、これが本当にお金になるのか、とも疑問に思った。



『あなたも情報を狙っている存在……』


 出口に待ち構えていた人物は、ミニバラとはデザインも異なるようなアーマーを装備している。


 そして、この人物こそがSNS上でも言及されていたブラックバッカラだと気づいた。


『この情報を手にしようとしているの?』


 ミニバラは、ブラックバッカラも情報を狙っている勢力なのではないか、と情報の入ったディスクを見せるのだが、それにはまったく気にしていない。


 むしろ、彼女は外にいたと思われる同じような情報を求めていた勢力を一掃しており、逆に言えば情報を守っている側に近いだろうか?


『情報を守っているとは、少し違うかな』


 ブラックバッカラが別の方角を振り向くと、そこには情報を奪おうとする勢力の1名がいたのだが、それもあっさりと撃破する。


 使用した武器はよく見えなかったが、いわゆるビット系の可能性もあるだろうか?


【ブラックバッカラは敵だ。情報を手にしたら、早く霧の外に出ろ!】


 ミニバラのバイザーにとあるメッセージが送信され、それを見た彼女はすぐにブラックバッカラから離れる。


 一方で、彼女はミニバラを追いかけようとはしない。どういうことなのか?


『情報の価値を決めるのは、外の人間ではない。それは、いずれ分かる事……』


 何かを感じたブラックバッカラはビルを後にした。



 それから数時間後、ミニバラは別の漫画喫茶に到着し、先ほど入手した情報とは別の情報を手にする。


 どちらの方が価値があるのかはわからなかったが、彼女にとってはビルで入手した情報よりも、漫画喫茶で手にした情報の方がレアであると判断し、ビルの情報は別の場所へ隠した。


『この情報をよりも、価値があるような気がする』

 

 後に漫画喫茶で手にした情報は、SNS上で拡散され、そこからさまざまな派生作品などが生まれるきっかけになったが、それはまた別の話と言えるだろうか。

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