[全話投稿済みです]スキル[守るもの]の覚醒! 仕返ししたいのだが…俺を追放したパーティーとか、魔王討伐を強制した国王が逃亡したけど、どうしよう?

どら焼き

第1話 やっと…

 「おのれ!勇者共! 受けるがいい!


 ブラッティ・ストームレイン!」


 魔王が、両手を俺に向ける!


 黒い雨の暴風雨が、吹き荒れる!

 

 黒い雨水の雫そのものが、螺旋に回転している恐ろしい攻撃だ。


 自分達だけマジックシールドに入り、俺が魔王と戦って、俺が殺されたら疲弊した魔王を殺すという、漁夫の利作戦を立てていた俺以外の王国・帝国所属の勇者様達の複数パーティーは、マジックシールドごと、バリバリとシールドが壊れる派手な音を立てて吹き飛んで行った。



 俺の、対魔術コーテングされたマントが破れてきた。


 なんとか、石畳の床に爪を立てて、剣を石の隙間に食い込まして、暴風雨に耐えるが…


 目が霞んで来た…



 もう、だめかもな…



 そんな、思いがよぎったとき腰のベルトにあるマジックアイテムが起動した!



 マジックアイテム[ダイナミックマジック・コンバーター]だ!


 暴風雨を、装置の丸い口が吸い込みだす!


 そして、その黒き猛毒な力を、俺の力に変換してくれているのが実感する!



 ボロボロになった皮膚が、潤い再生されていく!



 アルト(大木 あたり)

「魔王! テメーのせいで!この異世界で無理矢理に戦うことを強制されたんだよ!


 少しは、責任をもてーーーーーー!


 ホーリーライトニングスマッシュ!」


俺の最大の剣技を放つ!


魔王もそれを黒い両手大剣で受けるが、俺の腰のマジックアイテムが魔王の技を吸い込んだせいで、力が抜けた魔王の膝が揺れる!


 好機と思い、俺は力押しで剣技を魔王に叩き込んだ!


 ガキン!


 折れる魔王の大剣!


 そして、斬られた魔王が俺を見上げたとき、怨み言を言われるかと思ったけど、何故か悟った顔になって、姿が光となり消えた。



 アルト

「ハァーーーーーー… やっと終わった。


長かったな〜。



さてと、誰もいないな!


スキル生命探知と気配察知に魔力探知を使って、俺以外は魔王の玉座の間にいないのを確認してから、隠しスキルを、発動する。


アルト

「インベントリ(無制限収納)発動! この部屋全ての品物!」


空になった魔王の玉座の間


そして、隠し部屋も見つけたので、中のマジックアイテムなどを全てのインベントリに収納する!


なぜか、この魔王城で戦っているはずの、あのお高くとまった貴族様の軍隊が、やってこない。


 ボロボロだが、なんとか魔王城を出ると…


 そこには聖国やら、帝国やら王国などからの派遣された軍隊が、魔王軍と戦っていたはずなのだが全くいなかった!


 どうなっているんだよ!


 オイ!帰りはどうするんだよ!


 荒野になった、魔王城の前の広場だった所で、俺は叫んだ!



 ふと、横を見ると勇者だった奴らのなれはてがあった。



 自分が、この異世界に巻き込まれ召喚された時の本命の勇者様達もいた。


 他国が召喚した勇者達のなれはても、放置されている。


 おいおい…


 放置かよ!


 命かけさせて、魔王倒したら放置かよ!


 いけ好かない、野郎たちだった!クズな女達だった。


 何が、勇者だ!


 何が、賢者だ!


 クソ食らえ、大魔道士め!


 このクソ聖女!


 人は斬るけど、野菜は切れない剣聖め!



 ムカつく事が、この勇者達に有りすぎた!


 だが、この放置の仕打ちには、腹が立った!


 腹の底から、腹が立った!



 なれはて達を、集め…布でくるみ、ありったけの魔力で氷漬けにする。


 そして、マジックアイテムのマジックバック(時間停止機能付き)に入れた。


 そして、インベントリに収納する。


 せめて、城まで連れて帰ろう。



そして、荒野となった魔王領を1人歩き出したアルトだった。

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