結婚を考えていたけど…後日談 彼女編

ya_ne

第1話

アパートの部屋に一人啜り泣く声。


青年が出て行き、

テーブルの上には合鍵が一つ置かれていた。


「彼は優しいから、謝れば許してくれる。」


と心のどこかに

そんな気持ちを抱いていた彼女だっだが。


一人になり、泣く事しか出来ない

彼女が今感じるのは

 後悔 

只々それだけだった。



「どうしてこうなってしまったのか?」

「自分はいつ間違えたのだろう?」

「プロポーズを考えていてくれたのに。」

「彼に会いたい。」

「彼と一緒にいたい。」


後悔ばかりが頭を巡っていった。


何時間そうしていたかもわからない。



それほどまでに大切だったことに、

失って初めて気付けたのだ。



一晩中泣きながら

後悔ばかり繰り返していた彼女は、

何をする気にもなれず気付けば朝になっていた。


泣きすぎて顔が酷いことになっていた彼女は


「こんな顔じゃ仕事に行けない」


と思い、体調不良で休む事を会社に連絡した。


「シャワーだけでも浴びよう」


と洗面所に行き、

彼の歯ブラシや替えの着替えを見た彼女は

また泣き崩れた。


なんとかシャワーを浴びた彼女は、

部屋に戻り部屋の中を見渡した。


彼の物が、彼との思い出が溢れていた。


「どうしてこんなに大切だった事に

気付けなかったんだろぉ」


とまた、後悔が襲ってきた。


涙も出ないと思う程泣いても、

まだまだ涙は溢れてくる。


泣き疲れたのかそのまま眠りについていた。

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