欺曲

神は黙し語らず


されど神を追いし人は


神の言葉を求める


如何にすれば神は語るのか


神に祈り続けるか


神に贄を捧げるか


それとも、破滅が訪れれば神は動くのか


永遠に


永遠に


神は黙し語らず


千年来


それでも神は黙し語らず


やがて人の中から


「神など存在しないのだ」


と気付く者が表れる


ニヒリズム


唯物論


それは果たして神への反逆者か


許され得ぬ悪か


それとも


それでも神を信じる者が


頭の固い痴れ者か


人は分かたれる


人が地に満ちた時


神は表れず


表れたのは


人は決して分かり合えないのだ


という“絶望”


それでも神は黙し語らず


それでも神を信じるか


それとも神を捨てるのか


人は分かたれる


それは果たして悪なのか


それこそ、人が“自由”になることではないか


自由とは分断とともにあり


されど人はそれでも“何か”を求めるものなのであり――

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