第9話冷凍みかん

私は冷凍みかんが大好きだ。


なんでみかんを凍らせるだけで、あんなにも美味しくなるのだろう。


冷凍庫を開けて、冷凍みかんを手に取る。


剥けるようになるまで、少しだけ待とう。


5分後。


冷凍みかんの皮を剥く。


その瞬間、冷凍みかんの感情が頭の中に流れ込んできた。


「なんで人間に食べられなきゃならないんだ。

生きたい。

自由に大地を歩きたい。

人間どもめ、俺が食いちぎってやる。

腹の中からズタズタにしてやる。」


それは溢れんばかりの憎悪だった。


私は冷凍みかんを口にいれ頬張った。


これだから、冷凍みかんを食べるのはやめられない。




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