第3話もやし

私の部屋からは、もやしが生えてくる。


築1年未満の新築アパートなのだが、どういうわけか、部屋の真ん中から生えてくる。


最初は不気味に感じたが、物は考えよう。


もやしが自然に生えてくるなら、食事代が浮く。


もやし炒め、もやしスープなどなど。


もやしをふんだんに使って料理した。


もやし料理を続けていくうちに私の身体に変化が起きた。


足が一本になってしまったのだ。


足が取れたというよりは、二つの足が一本にくっ付いた感じ。


そのうち身体周りもスリムに。


腕は胴体と同化して消えた。


私は一生懸命身体をくねらせて、もやしを貪り食う。


そのうち頭が消えて、身体が真っ白になった。


どうやら私はもやしになったようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る