ぽちのすけのあしあと

@potinosuke000

昔話

冬に生まれた。

気がついた頃から無を欲して止まなかった。

小学校、中学校

いつも無でありたかった。

全てに対して無でありたかった。

存在を無にしようと何度か試みたが無にすることはできなかった。

教師、同級生、両親、兄弟

同じ時間に存在する人が大嫌いだった。

どんな言葉を発しているのか、何を言っているか

まったく理解ができなかった。

他人の真似をして生きてみたが、やはり何かが違っていてちぐはぐになった。

無になれず、他人の言葉を理解することもできず、頭のなかを表現する術もない。

苦しみと渇望の時間

いつまで終わらない時のようであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る