第15話
あの後、俺と
手を繋ぎ、共に最寄り駅までの道のりを歩く。
今回も
「ねぇ、トモ君。今回はありがと。今回のデートプランもだし、最後のキスだって……。いつもは私から始めてたからさ」
「この前のお泊りには俺からやろうとしたんだけどな」
「知ってる。けど、ちょっと不安だったんだ。いつも私からだから愛が重いのかなぁとか、もう私のこと……冷めちゃったのかなぁ……とか……」
気付けば
「あれ、なんでだろ……あはは……。今日のこと思い出したらさ、楽しくて、安心して、嬉しくて……ごめんね。涙なんて流す予定なかった……のに」
「
俺は
優しくその頭を撫でる。
「ごめん、ずっと独りで悩ませてたんだな。ほんとごめん」
「違うの、トモ君は何も悪くない。勝手に私が悩んでただけなんだから」
「それでも、不安にさせたのは俺だ。大丈夫、俺はずっと
ほんと、彼女を不安にさせるなんて彼氏失格だ。
何か言葉をかけようとして──思わず言葉を飲み込んだ。
目の前から歩道を無視して車が突っ込んできていた。横に動く気も停止する素振りも見せない。
これが『予知夢』の再現なのか? このままだと俺と
夢での痛みを思い出し体が強張る。逃げようにも足が震えて動かない。
あんな苦しみは二度とごめんだ。
――動け、動け、動け!
必死に訴えかけるが足が動く気配を感じない。死が怖くなり腕に力が加わる。そこで腕の中に
もし、このまま俺が動けなかったら
脳裏に過るのは倒れている
違う! 今度こそ抗うと決めただろ!
──助けろ、なんとしても
徐々に近づいてくる車、何か違和感を覚えたのか
俺は
「――ごめん」
約束……守れそうにないかも。
俺は思い切り
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