最後のシャワー【カクヨム版】

凛は、お皿を洗い終わったようで俺の手を流してくれていた。


「終わったー」


「朝シャワー入ろうか?」


「うん」


俺は、凛のシャツに手を入れて、後ろから胸を触った。


「何してるの?」


「龍ちゃんは、凛にこんな事する?」


「それは…」


「凛にこうやってする?」


俺は、凛の肩に顔を置いて首に優しく唇を当てる。


「駄目っ」


「ちゃんと言って!龍ちゃんは、凛にこんな風にする?」


嫉妬が止まらない。


「胸、ダメっ」


「答えて、凛」


「龍ちゃんは…。ん…。時々、こんな…風に…。無理だよ」


「無理じゃない。答えて」


俺は、凛の肩に唇を当てる。


「時々…っ、だけど…、してくれる」


凛が感じてるのがわかる。話しづらそうに、そう言った。


「龍ちゃんと俺どっちがうまい?」


俺は、凛の首筋に唇を押し当てる。


「んっ、待って…、ちょっと…待って」


「待てない」


凛の体が、ビクッとするのがわかる。


「どっちも……んっ…」


「どっちも気持ちいいの?」


「ぅん…ハァー」


凛は、吐息を漏らしていた。


「凛は、欲張りだな!こっち向いてごらん」


凛は、横に首を向けてくれる。俺は、凛の唇に唇を重ねる。


「ん……」


胸を触りながら、ゆっくり深いキスをしていく。

凛は、足にうまく力を入れられないようで下がっていこうとする。俺は、それを押さえる。こんなに感じる人は、初めてだった。今までしてきた相手とは違う。


エロくて、敏感な人。


「シャワー入ろうか?」


唇を離して、そう言うと凛は頷いてくれた。


「凛」


「何?」


「最後は、しないから…。だから、ちゃんと旦那さんに抱かれろよ」


俺の言葉に、凛の蕩けた目が、驚いた目に変わる。


「最後は、お風呂でイチャイチャしようか!いれなくても、出来るだろ?」


俺は、驚いた表情の凛を引っ張って洗面所に連れて行く。


お風呂場のシャワーの蛇口を捻る。


「凛の服は、理沙ちゃんに渡すから」


「わかった」


俺は、凛の服をゆっくりと脱がせていく。


「拓夢、恥ずかしい」


「ここが、大変だね」


「言わないで」


俺は、凛の服を全部脱がし終わって笑った。


「俺も同じ」


その言葉に、凛も俺の服を脱がしてくれる。お湯が出たかシャワーを確認して二人でお風呂場に入った。


前にやったように、互いの体を洗う。ただ、前と一つ違うのは…。凛がそれに優しくキスをしながらしてくれる。俺もお返しにそこにキスをした。お互いに満たされる。


「これが、本当に最後だから」


俺達は、また互いの体を洗って…。シャワーから上がった。バスタオルで、お互いの体を拭き合った。


「拓夢、ありがとう」


凛は、涙を溜めた目で俺を見つめながら頬に手を当ててくる。


「こちらこそ、ありがとう」


俺も凛の頬に手を当てた。


優しく丁寧にキスを交わし合って、俺達は互いの髪を乾かした。

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