作りたくなった…

まっつんは、荷物を纏めてる。


「平田君、今からバイトでしょ?ごめんね!長々と…」


「いえ、大丈夫です」


「じゃあ、帰ろうか!駅まで一緒に行こう!お腹は?すいてるなら、一緒に食べない?」


「いえ、大丈夫です」


まっつんは、普通にする。凄いよな…。俺なら、出来ない。


「じゃあ、行こうか」


「はい」


「拓夢は、どうする?」


「行く」


「じゃあ、行こうか」


そう言って、俺達は部屋を出る。受付で、まっつんがお金を払ってくれた。三人で並んで歩く。まっつんは、平田さんと話してる。俺は、聞かないようにしていた。凛に何か起きてる気がする。そんな胸騒ぎを俺は、ずっと感じていた。駅について、平田さんと別れた。


「拓夢、明日何歌うつもり?」


「何にしようかな?」


「俺、あれ好きだなー」


「何?」


「花束」


「あっ!それな」


花束か…。正直、俺は好きじゃなかった。


「何か、めちゃくちゃ拓夢の感情がのっててさー」


「うん」


当たり前だ!あれは、まっつんへの懺悔と美沙への想いで溢れていたから…。


「新しい曲、今日作れたら最高だったな」


俺は、まっつんのその言葉にまっつんの手を掴んだ。


「何?」


「凛の事、想った歌を作りたい」


まっつんは、驚いた顔をしていた。


「じゃあ、曲作るか?」


「うん」


「かねやんとしゅんに連絡してくる」


そう言って、まっつんは二人にかける。もしも、これがデビューする曲になるとしたら…。俺は、凛への想いを歌にしたかった。


「拓夢、いけるって」


「コンビニでノートとペン買うわ」


「カラオケ戻らなきゃだな」


「そうだな!パソコンは?」


「あー、しゅんの借りるわ」


「そっか」


コンビニで紙とペンを買う。


「何か腹減ったなー」


「駅前の新しく出来たラーメン屋行かない?餃子が凄く有名らしい」


「行こう」


俺とまっつんは、コンビニを出た。歩いて、出来たばかりのラーメン屋に入る。ラーメンと餃子を頼んだ。


「いただきます」


出されて、食べた瞬間から美味しくて驚いた。


「めちゃくちゃ上手いな!この餃子」


「うん!ラーメンも上手いわ」


「なー」


俺とまっつんは、ラーメンと餃子を無言で食べ続けた。


「ごちそうさまでした」


そう言って、お会計をして見せを出た。


ガラガラ…


「お腹いっぱいだー」


「本当に」


「拓夢!凛さん、呼ばないのか?」


「あっ、忘れてた」


「呼べよ!来てくれなくたって…。凛さんを想って歌詞書くんだからさ」


「そうだよな」


俺は、まっつんを見つめて頷いた。


「メッセージ送ってみるよ」


「そうしろ」


まっつんは、そう言ってニコニコと笑ってくれていた。


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