回り出す運命

「わかりました。明後日、行きます」


『よかった!じゃあ、星村君達をスカウトした場所に来て!後は、こっちに任せて』


「はい」


プー、プー


相沢さんの電話が切れた。


「拓夢」


「まっつん」


俺とまっつんは、ハイタッチをした。


「俺達、デビュー出来るんだな!」


「そうだよな」


「明後日か、楽しみだな」


「うん、楽しみだよ」


そう言って、俺とまっつんは笑っていた。突然訪れたチャンスに俺もまっつんも舞い上がっていた。暫くするとかねやんが戻ってきた。


「駅まで送ってきたわ」


「おかえり」


まっつんは、かねやんに相沢さんから電話の話をしていた。


「マジで!それは、めっちゃ嬉しいな」


「だよな!願ってないチャンスだぞ」


「メジャーに行くのか!しゅんにもメッセしとこ」


かねやんは、ニコニコしながらしゅんにメッセージを送っていた。


「かねやん、ありがとな!松永さん」


「あー、智輝が今日ならって言ってくれてさ!でも、ビックリしたよな!松永さんの話」


「確かに、そうだよな!拓夢は、大丈夫だった?」


「うん」


「なら、いいんだけど」


かねやんは、煙草に火をつける。


「吸ってよかった?」


「聞く前に、火つけてるだろ?」


「あー、ごめん」


「禁煙出来ないのか?」


まっつんは、かねやんの煙草の煙をはたきながらそう言った。


「なかなかなー。やめれないんだよ」


「それ、わかる!」


「つうか、まっつん!凄いよなー。やめれて」


「それは、愛の力だろ?」


「理沙ちゃん、アレルギー出たんだっけ?」


「そうそう!目痛くなったり、咳したり、気分悪くなったりしだしたんだよ」


「俺も、理沙ちゃんいる時は吸わないから!愛の力だろ?」


かねやんの言葉にまっつんは、笑っていた。俺は、二人の会話を聞きながらも胸の奥のざわざわが消えなかった。


「明後日って、三連休の最終だっけ?」


「うんうん」


「三連休だったっけ…」


「そうだよ!拓夢忘れてた?」


「嫌、昨日も休みとったからさー」


「そりゃ感覚ないな」


「だよなー」


まっつんとかねやんは、ニコニコ笑いながら俺を見てる。


「腹減らない?」


「確かに」


かねやんは、そう言いながらお腹を擦ってる。


「しゅんは?寝てるの?」


「誘ってみるわー」


そう言って、かねやんは電話をかけてる。


「久々に、こいつ更新しないか?」


まっつんが、担当してる俺達のSNSの画面を見せる。


「智が抜けてから、全く更新してなかったんだよな」


「そう!だから、しよう!心配してる俺等のファンの為にも」


「そうだな!それがいいな」


俺は、まっつんの言葉に笑って頷いた。俺達が、メジャーにいけると信じてついてきてくれた5000人のファンの人達。まっつんは、SNSを更新していた。

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