第4話 高校2年生 男子

 私は息子の部屋を片付けるために部屋に入った。高2になってからは、次第にませてきて俺の部屋に入るなと、きつく言われている。

 しかし、今朝廊下を歩いていたら、ドアの隙間からからゴキブリが出てきたから、やむを得ず部屋に入ることにした。夫にも相談したが、何か言われたら私を守ると言ってくれた。


 1年ぶりくらいに部屋に入る。


 ぷーんと変な匂いがする。ハエが飛び回っている。床は足の踏み場もないほど散らかっていて、明らかに、ゴミとわかる物が積み上がっている。とりあえず窓を開けて換気をする。


 私はゴミ以外の何物でもない、お菓子のカラなどをゴミ袋に回収した。

 このくらいなら、100%大丈夫だと思う。


 さらに、床に散らばっている洋服を集める。一回洗った方がいいだろう。

 少しづつフローリングの床が見えてきた。

 部屋には、シンナーの缶や睡眠薬が落ちていた。

 息子が薬物をやっていたことに気がついた。

 ショックだった。


 学校のテキストやプリントは取り敢えず、床に積み上げる。


 その中に、交換日記というタイトルのノートを見つけた。黄色い表紙だ。彼女がいるんだろうか?あの顔で?いつの間にそんなに大人になっていたんだろうか。私は怖くなった。


 片付けを忘れて、ノートを覗き込んだ。


『涼助君。今日から交間日記しようよ。赴味は何?』


『あんた誰?』


『涼助君に片思いしてる、かわいそうな女の子だよ』


『写真見せて。あと、名前教えて』


『涼介君のタイプじゃなかったらかなしいなぁ。はずいけど、取近とったしゃしんを見せるね』


『写真見たけど、めっちゃかわいいね。どこの高校?』


『ひみつ。ほんとは中ソツなんだ』


『俺はそういうの気にしないよ。名前なんていうの?』


『モーリーってヨんで。涼助君の赴味は何?』


『ネットフリックスでドラマ見ることかなぁ。モリちゃん、ネットフリックス会員になってる?今、○○○ってドラマ見てるよ。何か好きなことある?』


『ネットフリックスって何?今 何がはやってるかせんぜんわかんない。私の赴味はキメセクかなぁ』


『そうなんだーすごいね。モーリーって何してる人?』


『くすりのサンプル送るしごと。とりあえず、おすすめのやつ送るね。むりょうだよ♡きにいったらリピートしてね』


『大麻ありがとう。めっちゃ、ハイになってやばかった。買いたいんだけどLineとかないの?』


『Lineは足がついちゃうからダメだって。注文はこっちにかいてね。トータルで100グラム買ってくれたら、デートしてあげる♡』


『じゃあ、今はお金ないから10g』


 そういえば、涼介はこの頃バイトを始めたんだ。

 また、10g。10g。10g。10g。10g。・・・・100g購入したのは、、、交換日記の最期の方だ。


『どこで待ち合わせする?』

『涼介君のおうちがいいなぁ。えへ。Hなこといっぱいしようね♡』


 涼介・・・しばらく家に帰って来ないけど、どこにいるんだろう。


 そういえば、布団が盛り上がっている。まさか・・・。私はぞっとする。

 布団をまくり上げた。

 そこには、息子が裸のまま、厚手のビニール袋に入れられていた。 


 *本作品はフィクションです。

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