第3話 恐怖の始まり

第3話


歌side


私には夫が居た。


最初は確かに好きだった。


初めてを捧げたし、結婚も望んでた。


でも、少しずつ言い知れぬ恐怖が襲ってくる様になったのだ。


理由は未だに解らないし、怖くて知りたいとと思えない。


そんな私は、いつの間にか彼と距離を置く様になった。


幸い、彼はあまり気にしていない様だった。


そんな時、彼に出会った。


日に日に恐怖が増していく中、私は彼と仲を深めていた。


最初は罪悪感が有ったが、恐怖に心を染められていく内に、罪悪感も消し去られていった。


そして、いつの間にか彼に割く愛の方がデカくなり、一線を超えてしまった。


その結果、私は夫………いや、元夫と離婚する事になった。


後悔は無いし、彼との子供を授かった事は心の底から嬉しかった。


………だが、甘かった。


私は其処から、彼に感じてた恐怖の理由を身を持って体験する事になるのだ。


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「きゃあああ!!!???」


目の前に人が落ちてきた。


目の前でグチャグチャに飛び散り、その肉片と血が私に飛んでくる。


この人は………間違いない………


「大丈夫か、歌さん!」

「いや!何で、何で貴方が………」


永久だ。


あの人が、私の目の前に落ちてきた。


何で!?どうして、此処を知ってるの!?


何より、私の前に落ちてきた理由は!?


………そして、私は気が付いていた。


「何で?どうして、其処まで………」


彼は死ぬ直前、私にとある言葉を間違いなく告げていた。


「何で、『愛してる』って言えるの?」


何度も聞いた言葉………だから、解った。


いや、もう聞きたくない!


何で、何で、何で最後まで………


こうして、これから始まる筈の幸せは、手始めからケチを付けられたのだった。


続く

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