ことばの悦楽

（131）台風一過

　世間で云うところのお盆休み。

　僕は仕事で関西に出張していた。

　台風７号が迫っているとの事で、荷物を満載にしたワンボックスカーを走らせる事8時間。

　12日の深夜に東京を出発し、13日の朝に奈良県に入り、現場付近のネカフェを見つけて一泊した。

　台風はまだ上陸していなかったが13日の午後から強い雨が降り出し、台風の影響がで始めていた。

　その後も雨は降ったり止んだりを繰り返していたが、翌朝の雨が止んだ隙に顧客の元に訪れ、無事に納品を済ませる事ができた。

　空っぽになったワンボックスカーで今度は京都府まで走り、迫りくる台風から身を守れる場所を探した。

　結果、丁度良い場所に道の駅を見つけ、その駐車場に車両を停めて、物産店で食材を買い込んだ。

　次の仕事は16日に京都府内の施設でのメンテナンス作業だ。

　台風が直撃する15日をこの道の駅でやり過ごせれば良い。

　という訳で、14日の夕方から16日の朝までを道の駅の駐車場で過ごした。

　いやあ、なかなかの暴風雨だったな。

　街では色々被害も出ているという報道もあった。

　僕がいた場所でも、一時的な停電が発生し、信号機が消えていた。

　途中でコンビニまで車を走らせたが、15日の午前中まででコンビニも臨時休業にするとの事で、閉店ギリギリで必要なものを買い込んだ。

　コンビニの先の道では土砂崩れがあったらしく、トラックが立ち往生しているらしい。

　引き返してきた乗用車のドライバーが、そんな事を店内で店員と関西弁で話しているのが聞こえてきた。

　そうして15日の午後も道の駅で暴風雨に耐えていたのだが、雨のおかげか気温が24度まで下がったので、車内はとても快適だった。

　荷物が空っぽの車内は、ちょっとしたお茶の間だ。

　アウトドアが好きな僕の車には、常にカセットコンロやら蓄電池やらが収納されており、食材さえあれば簡単な調理も出来る。

　15日は道の駅も臨時休業していたので、利用客も少なかった。

　そうして久々にのんびりと過ごしたが、雨音を聴きながら車内で足を伸ばして寝転がるのは、なかなかに気持ちよかったな。

　そうして迎えた16日の朝。

　天候は曇り。

　この様子なら、何とか仕事が出来そうだ。

　今日の作業を無事に終えれば、今夜には東京に帰れるだろう。

　明日からはまたいつもの日常に戻る訳だ。

　どんどん仕事量も増えて来ているし、きっと慌ただしい毎日が待っているんだろうな。

　さて、空も明るくなって来たし、そろそろ仕事の準備を始めようか。

　そんな今日の僕なのでした。