それは、りかの宿題。を完全版にした、姉妹作のウメチカとの輝けるコラボ作品。題して『それは、ちかの繰り広げられる大追跡。そして、りかの大きな宿題。』今明かされる舞台裏には、もう一つのドラマが存在したの。
Chase 10 Chika side すると、御来客現れり。
Chase 10 Chika side すると、御来客現れり。
――そしてベルの音、高鳴れり。遠くまでこだまを引くように。
先刻の夢から、ようやく胸の高鳴りが治まった僕は、玄関のドアを開けた。本日二人目の訪問者。一人目は
「
「大丈夫。
……ほら、差し入れ。太郎君もいるんでしょ。たこ焼き、皆で食べよっ」
という具合に、
……何もかも。僕が梨花にヤキモチ焼いていることも、もしかしたら。でも、そのことには一言も触れずに、『夫の用事』ならぬ『爪楊枝』で、僕のお部屋、太郎君も一緒に三人で突き合うホクホクなたこ焼き。とっても美味しく頂く次第となったのだ。
お腹も満たされたところで、
「ところで何の用だったの?
梨花は、すぐには帰って来ないと思うよ。何かイベントがあるらしいから」
と、僕が言うと、可奈の表情は急変して、
「きっと楽しく遊んでるんだわ、あの派手派手女と。東の都の渋い谷だか、原の宿だか知らないけど、アーバンスタイル気取ってさ。勝負してやろうと思ってたのに」
と、言い放つけど……
何の勝負? と、僕には理解できずで……
何となくだけれど、マシンガントークなら可奈に敵う者はいないような気がして、無敵を誇れるとは思えるのだけれど……それじゃ不十分? と問う。届かぬ声をもって。
囁く程度のその様な声。僕も太郎君も。
それ以上は二人の問題。……いや、梨花と可奈、そしてもう一人の三人の問題かも。
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