注釈

【離人症(英: Depersonalization)】


精神病理学用語。生命的感情の喪失感の事を指し、通常「自分を取り巻く外界が現実のものと感じられない」という非現実感、「自分自身の存在の確かさが感じられない」という空虚感、「自分の体が自分のものだと感じられない」という非自己所属感の三つに分けられる。


【解離性障害(英: Dissociative disorders)】


本来一つにまとまっている意識や記憶および知覚、あるいは自分は自分であるという自己同一性アイデンティティなどの感覚を統合する心的機能が、一時的に分離もしくは破綻した状態。過去のある期間の出来事の記憶がまるごとすべて抜け落ちる、自己同一性が失われ失踪して知らない場所で生活する、それは自分に起きていることではないと感じられるなど現実感を失う、あるいは身体の感覚を一部失ったり体が動かせなくなるなどの症状が深刻となり、日常生活や社会生活にさまざまな支障をきたすようになる。


【失語症(英: Aphasia)】


いろいろなタイプがあり、代表的なものは、人の話すことは理解できるが、自分の考えなどを話したり書いたりすることができなくなる運動性(表出性)失語と、他人の言うことを理解したり、読んだものを理解することが障害される感覚性(受容性)失語である。

失語症の患者はあまりことばを発せず、ことばを出すのに努力を要し、流暢にしゃべれなくなる(とくに運動性失語)。また、意図したことば、日常よく使用する物の名称などが思い出せなくなる(喚語かんご困難、語健忘)。とくに喚語困難が目だつ失語症は、健忘失語とよばれ、言語中枢と密接な関係があるともいわれている。一つのことばを何度も繰り返しいったり(保続)、単語を間違えて時計を「たばこ」といったり(語性錯語)、一つの文字を誤って時計を「タけい」といったり(字性錯語)、さらには意味のわからない、でたらめのことばを流暢にしゃべったりすることもある(ジャーゴン)。これらはとくに感覚性失語にみられる。

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