ぜいたくな恋
あたくし、我儘に生きていきたいんですの。
我儘な恋をしてみたいんですの。
どなたがお許しにならなくっても、お許しにならない御方の目を盗んで、夜の下で、あたくしはあなたに会いに行きたいんですの。
抱きつきたいんですの。
抱きついて、熱いキッスを交わしてみたいんですの。
「ぜいたくは敵だ!」なんて滅相もありませんわ。ぜいたくはあたくしの味方です。
あたくしは豊かな世の生まれですから、恋も豊かでなくっちゃいけないの。でなきゃ、この世に生まれた意味がないのよ。
あなたとぜいたくな恋をしてみたいんです。
あなたがこちらにおいでになって、忍足であたくしにお近づきになって、真正面から抱きしめて、それからたった一言、愛してると言ってくれたら、それでもうよいのです。天上にも昇る思いです。
だけど、言ってくれなかったら、殴るわよ。
待つのは性に合わないから、あたくしからあなたに会いに行こうと思います。あなたはあたくしのことを思い浮かべて、花瓶の薔薇でも眺めながら、待っていてください。
忍足で近づいて、真正面から抱きしめて、あたくしはたった一言、あなたに愛してると言いますから、その時は、愛してるの返事の代わりにあたくしと、ぜいたくな恋を、してくださいまし。
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