陶器の貯金箱
一日百円、その小さな入り口に押し込んで、チャリンチャリンの音楽を待っていた、日々。お金と共に増えていたのは、何気ない日常にある貯金箱の記憶だよ。
ねえ、どうして私、割らなければ取り出せない貯金箱なんか、買ってしまったんだろう。粉々に砕けた破片にもきっと変わらず価値がある。でも、破片と破片をくっつけたところで、それが元通りになるわけはない。
中から溢れ出してきた、この銀色を、私はなんに使おうか。破片をちらちら掻き集め、世界の一片、えがこうか。
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