第7話 金縛りと生首

 実は私、中学生くらいから時々、夜寝ている(寝ようとしている)時に、金縛りを経験していました。


 一応、科学的に金縛りの原因は科学的に説明できるそうですね。


 簡単に言うと、「身体は寝ているけど、心は起きている状態」とか。


 理屈はわかっていても、でも、金縛りになった時は怖い。


 その上、気のせいか「この世ならざるもの」の気配を感じた時はもっと怖い。


 あ、私、「見る」ことはできません。


 と言うか、できないと思っていました。


 が、ごくまれ(第二話や第三話)に、変なものを見たりしました。


 でも、年を取ってくると、だんだん金縛りに遭ったり、変なものを見たりすることが無くなってきました。


 油断していました。


 その日は、月明かりが妙に明るく、寝る前に消灯しても、月の光に照らされた寝室は薄明るいと感じるほどでした。


 その程度の暗さ(というか明るさ)に目が慣れてくると、ふと窓辺に黒い丸っこい影がある(いる)ことに気づきました。


 寝たまま目をこらしてよく見ると、なんと人の首でした。


 いや、普通ならあるわけないですよ。私はバラバラ殺人犯ではありませんから。


 ひ~っ、と思いましたが、その時は身体の自由も効かず。


 私はしばらく生首(に見える何ものか、あるいは幻覚の所産)と共に、この月夜を過ごすこととなりました。


 そしていつしか私は眠りにつきました。

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