第21話 訓練 ③
ニコ 「まず雷纏についてですが、無傷で唱えることは不可能です。しかし、完璧に制御することができるようになれば魔力の消費が抑えられ、発動後のダメージを抑えることが可能です。」
そういって私は雷纏を発動する。
ニコ 「私も以前同じことをやりました。魔力が尽きることはありませんでしたが発動後に体の一部がうまく動かなくなったことがあります。前に体内にのみ攻撃を与えてくる敵と戦ったことがありますが、その時と同様なことが起こっていると考えてよいと思います。」
私の場合はよほどのことがない限りすぐに治りますが、レイラ様はそうはいきません。
ニコ 「このように、どれだけ魔力を完璧に扱ってもどうしても体へのダメージがあります。しかし雷纏を発動させると、速度とバワーにすさまじい補正がかかります。これはほかの属性では不可能なことです。その対価として己へのダメージとすさまじい魔力消費です。」
レイラ様は顎に手を当てて少し考えるそぶりを見せた後私の顔を見て質問をしてきた。
レイラ 「あなたとワタクシの雷纏の魔力消費の違いは大体どのくらい違うのかしら?」
ニコ 「大体十分の一くらいです。」
レイラ 「あら、そんなもんなんですの?ですが弱点がそれだけというのも少なすぎる気がしますわね。」
ニコ 「そうですね。私も雷纏を覚えてそんなに時間がたっていないのでまだ慣れていことも大きいです。それに、雷纏のもう一つの弱点はもう一つあります。」
レイラ 「なんですの?」
今まで黙っていたマリ様が口を開いた。
マリ 「速度ね。」
ニコ 「その通りです。」
レイラ 「それはメリットではないの?」
マリ 「確かにすさまじい速度が出るということは戦いにおいて大きなメリットがあるわ。でもその状態でずっと戦えるかしら?制御するのはもちろんのこと、発動者がその速度についてこられないってことよ。生存率が低いのも納得だわ。この属性は危険すぎる。その証拠にさっきのレイラがそうよ。たった一撃を加えようと魔法を使っただけで息切れとダメージでボロボロになったじゃない。ニコは例外にしても常人ならとっくに死んでるわよ。」
確かにレイラ様は雷纏を十分扱えているだろう。
たった一撃とはいえ最高速度を出し明確に相手をとらえて攻撃を与えることができている、そして息切れと少しのダメージで済んでいるのだから十分といってもいいのではないだろうか。
おそらくあの一撃はマリ様には防げなかっただろう。
ニコ 「現状雷纏はわかっていないことが多いため訓練の時に使用することにした方がよさそうです。ですが万が一があった場合は死なないようにしてください。」
そういうとレイラ様はうなずいた。
レイラ 「ワタクシもまだまだということですわね。マリ、あなた良い人を見つけましたわね。」
その言葉にマリ様は満面の笑みを浮かべて、
マリ 「そうでしょう。そうでしょう。欲しいって言ってもあげませんからね!!」
ニコ 「ではこの話もひと段落したところで次はマリ様とレイラ様お二人で行きましょう。全力で来て大丈夫ですよ。」
レイラ 「流石に全力を出してしまうとこの空間が持ちませんわよ。」
問題ありませんと言いながら私は二人から距離を取って魔力を解放して構えをとった。
ニコ 「これからは私も反撃致しますので気をつけてください。お二人の目標は私に一撃を与えられるようになることです。」
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どうも作者です。
もう少し3人の訓練にお付き合いください。
訓練が終わった後に補足などもいれていきたいと思っています。
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