おっさん、別れる


 「いやぁ、本当に恥ずかしいな。こんなことになっちゃって。」


 「本当だよ。おじさん。まぁいいや。でも、私は楽しかったよ。王国を出てからのアクシデントで一番楽しかったと思う。良い退屈しのぎになったよ。ありがとう。」


 何か、別れみたいな雰囲気になった。恐らく、リリカは何処かへ行くのだろう。


 「リリカ、これからどうするつもりだい?まだ一緒にダンジョン探検をする?それとも、何処かへ行ったりするの?」


 「ごめんね。おじさん。やっぱり、私は王国へ戻ることに決めたの。」


 なるほど。家に帰るというワケか。だが、確かにそれは名案である。やはり、いくら強いとはいえ、女の子一人で生活していくのは辛い。

 というか、きっと彼女もいずれは家に帰るつもりだったのだろう。


 まぁ、1ヶ月も家出すれば満足だろう。俺がその彼女が満足する要因にもなったわけだ。


 「じゃあ、おじさん、気を付けてね!あと、よかったら私の国にも来てね!歓迎するから!」


 「うん!ありがとう!俺も楽しかったよ!王国でも元気でね!」


 たったの半日の出来事だったが、とても面白かった。

 というか、もう魔法の胞子あの粉は吸わないようにしないと……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る