たんぽぽ

@Natsu1427

第1話 イラ坊

 俺は小学5年生だ。俺はたぶんクラスで浮いている。それは俺が小さなことにもイライラしてしまうからだと思う。みんなから「イラ坊」と呼ばれるし今日だってまた…。俺はどうすればいいんだ…。

 今日帰りの会でクラスで鳥を飼うことが決まった。クラスメイトのなっちゃんが先生に鳥を飼いたいと言ったらクラスのほとんどの人が賛成したのだ。なっちゃんはクラスでも人気者でよく飼っている猫の話をしている。クラスで浮いている俺にとっては全く話すことがないような人だ。女子には特に嫌われているし。そんなことを考えていると、なっちゃんがこっちを見ていた。目が合うとにこっと笑ってまた先生の方を向いた。先生が言うには教育の一環らしい。俺は、鳥を飼うことに反対なのに俺の意見は誰も聞いてくれなかった。先生だって飼ってみたいだけだろ。俺以外で盛り上がるクラスメイトに俺はイライラして「ふざけんなよ!」と叫んでクラスを飛び出してしまった。俺は動物が大嫌いだ。それにこんな俺も大嫌いだ。小さいころは動物も好きだった。と母親から聞いたけどなんで嫌いになったかは覚えていない。犬みたいなやつはかわいい顔してこっちを見てくる。ずっと見られると、視線が気になってイライラしてくる。それに動物は鳴く。犬は「ワンワン」、猫は「にゃーにゃ」、鳥は「ピーピー」とうるさく鳴く。こんなうるさいやつが教室にいたらみんな授業に集中できなくなる。まじで迷惑なやつだ。最近だって鳥インフルエンザが動物の間で流行っているニュースをみた。あれが人間にうつったらどうなるのだろうか。人間がよくかかるインフルエンザも元々はカモが病原菌みたいだし。これから飼おうとしてる鳥もなんか悪い菌を持っているかもしれない。そんな思いでムカムカしながら一人で通学路を歩いていた。公園の時計の針は4時を指していた。

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