第7話始まりはFacebook

天皇家の愛子さまは16歳、学習院高校1年生であった。宮廷での暮らしは、幼い愛子さまには窮屈で、息の詰まるものであった。


そんなある日、以前からFacebookでやり取りをしていた「おじさま」、イグナチウス・ロヨラから皇居前まで車で迎えに来るという連絡が、メッセンジャーにあった。


「愛子。gokiさんもなんとか退院できて、今、村田美夏ちゃんと六本木ヒルズに住んでんじゃ。美夏ちゃんにNSX買ってもらったから、今週末に迎えに行くの」


当日、愛子さまが皇居前広場に出ると、白いNSXが停まっていた。


「おじさま!愛子です」


周囲をキョロキョロと見回し、車の助手席に乗り込んだ。


「愛子さまですね?」


ロヨラは愛子さまを見るとニッコリ笑った。

二人で首都高をドライブした。表参道で洋服を買ってもらい、帰りはレインボーブリッジから東京タワーを眺めた。

皇居の中まで送ってもらい、ロヨラに抜け道を教えた。

「おじさま!今日は楽しかったわ、チュッ」軽くキスをした。

「愛子さま、またの」ロヨラはNSXをホイルスピンさせて帰って行った。


その日から愛子とロヨラの本当の付き合いが始まった。ロヨラは愛子さまを京都大学医学部に入れようと考えていた。養老孟司先生や茂木健一郎先生にも応援を頼み、愛子さまの勉強を見てもらった。


愛子さまを大手予備校に入れて、ロヨラも勉強をやり直すため、一緒に通うことになった。ロヨラのアカウントは、ゴキブリン・オシム、ゴキさんなどと呼ばれていた。


ゴキの第一志望は、京都大学社会学部。第二志望は立命館大学社会学部。愛子さまの第二志望は金沢医科大学、滑り止めは立命館大学社会学部。立命館大学は推薦で入れそうだった。


香山リカと北条かやも呼んだ。香山リカは「先生」、北条かやは「お姉様」と呼んで愛子は慕ってくれていた。香山リカは元祖「がじゅまん」、北条かやは二代目「がじゅまん」。そして、愛子を三代目にするつもりだった。


愛子さまは無事、京都大学医学部に合格した。そして、香山リカは、京都大学医学部講師となり、北条かやは京都大学社会学部講師となった。がじゅまん、かや、愛子の三人で京都の御所に出入りしながら、京都の貧民街にも出入りして、貧民救済活動に当たった。


イグナチウス・ロヨラと北条かやは、京都の街で一緒に暮らしていた。京都の二条河原で一軒家を借りて、かやは主に和服を着て生活をしていた。


競馬の天皇賞が京都競馬場で開催された。久しぶりに天皇陛下が愛娘に会いに来るという。リカ、ゴキ、かやも参列していた。京セラの稲盛和夫会長も参列していた。


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