くじら

ぐじらを見たんだ。

大きくて、大きくて、大きくて、大きくて。

わたしが酷くちっぽけに見えるぐらい大きかった。

わたしは、くじらを見た衝撃を飲み込むことが出来ず、ただ今こうやってはきだしていた。

大きかった、ただただ大きかった。

わたしはとてもちいさくて、あまりの差に笑う気すらおきなかった。

どうしようもないわたしは、まだ飲み込めない衝撃を、紙に連ね続けていた。

書いて、書いて、書いて、書いて、書き続けて。

いつか、飲み込めるようになるまで綴った衝撃で、なにをしようか。

あぁそうだ、ひれをつくろう。大きく水をかけるような。

あぁそうだ、からだをつくろう。ちっぽけなわたしを、奮い立たせてくれるような。

あぁ、わたしはくじらを、くじらがくれた衝撃を、わたしの血肉にしたい。

だってわたしは、くじらのように泳ぎたい。


くじらよ、今もまだ海にいてくれ。

わたしの憧れよ、今もまだ、悠々と。

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