第255話 4度目の戦争

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 戦争まで後50秒を切る。


 俺は今一度準備の確認をした後に大きく息を吐いた。


 これで4度目の戦争だと言うのに全く緊張感が取れない。


 俺の震えを見ていた優樹が俺の肩を叩いてこう呟いた。


「和希、力抜いて」


「優樹...」


「ん! 大丈夫! 今回も全員で生きて帰ろ!」


 その言葉に俺は安堵した。


「...そうだな」


(不思議だ。優樹がそばに居るだけでなんか気が楽になる)


 それは彼女が持つ特有のオーラだろう。


 他の皆も優樹の言葉にいい感じに緊張をほぐされている。


「...よしっ。行くか」


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 俺たちを光が包み込み再び戦場へと送られる!


「状況報告!!」


 俺の声と共に早速アルシェが【極・挑発】を張り優樹が各種バフを全員にかける。


「ここは...! 僕の故郷アルセージです!」


 そうシュナが声を上げた時に状況把握が終わる。


「ならば戦場は海...って事か!?」


 俺は海の方向を見るとイカの化け物クラーケンが見えた!  


 しかもその配下であるサハギンが大量に上陸してくる!


「あっちか!」


 そう言いながら俺たちがそちらに向かおうとすると...。


「和希! あれを見て!」


 優樹の指差した方向はクラーケンのいる場所とは逆方向。


 つまり陸地の方だ。


 そこには羊と狼とニワトリが合体したような化け物が立っている!


 しかも眷属の狼を大量に引き連れてこちらに進軍してきているのが見えた。


「おいおい嘘だろ!? 陸地と海からはさみうちにするつもりか!?」


 俺が今の状況を打破する方法を考えていると...。


「和希! クラーケンは私に任せて!」


「ケロナ!? 一人で大丈夫なのか!?」


 そう叫び俺に彼女はこう答える。


「任せて」


 無謀にも思える言葉だが、ケロナだからこそ信じられる。


「...分かった」


 俺はそう呟いた後にギガントキマイラの方に向かって突き進むのでした。

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