第243話 居残り

 俺は昨日の宿題をやっていなかったので居残りで宿題をさせられていた。


「ああ〜!! 面倒くせ〜!! なんで宿題なんてあるんだよ!!」


 俺は漢字のドリルを進めながらため息を吐いていると...。


「カズ君」


 何故か◯◯も居残っていた。


「なんだよ◯◯。お前も居残りか?」


「ううん、カズ君と話したかっただけ」


「あっそ、話すのは良いけど早く帰って遊んだ方が良いじゃないか?」


「ううん、今日は優樹ちゃんも空手の日でいないからね。2人っきりで話せる時間はこのくらいしかないでしょ?」


(なんだ急に...)


 そう思ったが口には出さない。


「話すのは良いけど邪魔はするなよ」


「うん、むしろカズ君の宿題を手伝ってあげるね」


 そう言いながら俺の今日の分の宿題をやり始める彼女。


「おいおい、何してんだよ」


「今日の分を終わらせたら一緒に話せるでしょ? 大丈夫、私はもうこの一年の宿題の範囲を片付けてるから問題ないよ」


 そう言いながら漢字のドリルを見せてくる。


 本当に全部のページ終わらせていた。


「マジか」


「後は算数のドリルも終わらせてるし理科のドリルも終わってる。だから大丈夫。私の心配はしないでね」


 そう言いながら俺の他のドリルを終わらせにかかる◯◯。


「じゃあ...任せようか」


 俺は彼女に今日の分を任せて昨日の分の宿題をやる。


 30分ほどで終わったので背筋を伸ばした。


「くあ〜! 終わった〜!」


「終わっちゃったね」


 少々残念そうな表情を浮かべる彼女に俺はこう提案した。


「そうだ! 宿題手伝って貰ったしお菓子でも奢るわ!」


「えっ!? 良いの?」


「ああ! タダで仕事をしてもらうのは悪いからな。仕事をした者にはそれなりの対価があって然るべきだろう」


 宿題を先生に提出した後に、俺たちは近所にある駄菓子屋さんに向かうのでした。

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