第139話 見張り

 食事が終わり火を片付けると俺はラカラにこう言った。


「ラカラ、ちゃんと見張りをするんだぞ」


「分かってるって!」


 〜1時間後〜


「飽きた〜!」


 そう言いながら私はナイフを空中に放り投げてキャッチする。


 暇だから30メートルほど離れた近くの岩場に丸を描いてその中に石を投擲する遊びをする。


「10回中10回ともど真ん中!」


 今度はナイフで試してみたが、それでも10回中10回ともど真ん中だった。


「これじゃあ簡単すぎてつまらないな、よしっ!」


 私は新しい遊びを思いついたので早速試す。


 木に棒状の物をいくつか括り付けて8の字に垂らす。


 これをブーメランで一気に落とすと言う遊びだ。


「せ〜の!」


 私の投げたブーメランはいい感じに8の字に動いて次々と垂らした棒を落としていく。


 8本落とした後にちゃんとブーメランが自分の手元に戻って来たのをみて一息つく。


「ふ〜! 面白かった!」


 そう言いながらその場に座り込むと、遠くに狼の群れが見えた。


「おっ! 夕食の肉の匂いに釣られたか? 丁度いいや!」


 私は50メートルは離れているであろう狼の群れにブーメランを投げてみた。


「流石に届かないかな?」


 そう思っていた私でしたが...。


 私の放ったブーメランは勢いを落とさぬまま空を切りそのまま狼の群れを襲った!


「ギャァ!?」


 いきなり無機物であるブーメランに襲われたことで驚き慌てふためいている。


「あはは! 面白い!」


 腹を抱えて笑っていると、群れの中の一匹が私の方に向かって来ていた。


「なんだ? 私とやる気か?」


 そう思って短剣を構えていると...。


(んっ? なんかあのブーメランをこのまま操れるような気がするな...)


 そう思った私は指をくいっと動かしてみた。


 するとブーメランがあり得ない軌道で折れ曲がり、私の方にやって来ていた狼を薙ぎ倒したのだ!


 自分でもびっくりする程のブーメランのコントロール技術に驚いてしまった。


「なんだ今の!? めっちゃ面白い動きをしたぞ!?」


 興奮した私はそのままブーメランの修行に夢中になってしまうのでした。


『EXスキル【ブーメランコントロール】と【ブーメラン得意】を取得しました』


『攻撃スキル【8ブーメラン】を取得しました』


『補助スキル【集中】を取得しました』

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