第136話 旅の必需品
半日ほど休んだ俺たちは再び馬車に乗り込み次の町を目指していると、突然優樹がこんな事を言い出した。
「それで? 何を買ってきたの?」
「ああ、旅の必需品を買ってきたんだよ」
そう言って簡易テントや寝袋、そしてランタンや火打ち石などを広げる。
「今まで買ってこなかったが、流石に次の町まで馬車で3日となると宿も取れないからな。道の途中でも休めるようにこれらの必需品は必要不可欠だろう」
旅の必需品を見ていた幼馴染はぱぁぁっと目を光らせる。
「和希凄いね! なんだかキャンプにでも行くみたいだよ!」
「キャンプセットよりもよっぽど本格的野営セットだがな」
簡易セットとは言えどもキャンプ用の奴と一緒にされては困る。
一応この国で冒険者達が愛用していると言うだけあってそれなりに頑丈そうだ。
【野営セット】
『馬宿で購入したそれなりの野営セット。設置することで体力を回復するフィールドを張る』
「一応特殊効果もあるみたいだな。流石異世界」
野営セットを貼ってその中で寝ていると通常よりも早く体力が回復するみたいだ。
まあ、試していないからどのくらいの速度で回復していくのかわからないが...。
「今日はテントで寝るのか!?」
そう言葉を発してくるのはラカラだ。
「ああ、今日はテントで野宿の予定だ。本当はあの馬宿に泊まってもよかったんだけど流石にあれだけ注目されてちゃな...」
俺はあったかいベッドを夢見ながらも、現実の事を考えているのでした。
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