第78話 神父③
「お前は...優男!」
俺と神父の戦いに何故か優男まで加わった。
「フィル神父! 貴方は今何をしているのかお分かりですか? 我らが【回復術師】様のご友人を手にかけようとしているのですよ?」
「誰かと思えばフォルト領主ではございませんか。これ言わば我ら【回復術師】教徒達と【弱体術師】による聖戦です。貴方如きが入っていい話ではありませんよ?」
領主にすら刃を向ける神父に呆れた様子の優男。
「...言葉で言っても分からないようですね。仕方ありません。和希様非力な私めに力をお貸しください」
(なんか対立してるけど優男が俺の仲間って事でいいのか?)
状況的にそう考えるのが良いだろう。
「雑魚が1人増えた程度で元冒険者たる私には勝てると思いで?」
(この神父元冒険者だったのか! だから妙に動きが言い訳だ)
正直言うと神父の動きはとんでもなく良い。
動きに無駄がないし力もある。
老いを全く感じさせないほどの実力が彼にはあるのだろう。
だが、頭の方が弱いようだ。
こいつも俺が【弱体術師】と言うだけで悪だとみなしてきたのだからな!
「私はともかく和希様を雑魚だと言いましたね? それは我らが信仰主【回復術師】様のご友人を馬鹿にする発言だと分かっておいでで?」
「そちらこそ、【弱体術師】などに肩入れするなど言語道断。正義は我が手にあり!」
なんか急に正義語り出したんだけど全くを持って心に刺さらないなぁ。
「和希様。今は私が貴方の刃となりましょう。作戦の指示をください」
そう言った優男が一時的に俺のパーティに加わるのでした。
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