第74話 聖水の購入

 俺は【聖水】を買うために教会へと足を踏み入れる。


「ようこそ教会へ」


 年老いた神父が俺を出迎えてくれる。


「【聖水】を売ってくれ」


「【聖水】ですか? それならば一本1000ラピスになりますがどうします?」


「一本1000ラピスか...、それなら12本貰おうか」


 これだけあれば1番効能の高い【聖水】を作れるでしょう。


 俺が神父から【聖水】受け取っていると...。


「あっ! 和希ここにいたんだ」


 と優樹が姿を現した。


「これはこれは【回復術師】様ではございませんか。いつまでこのアルセージに滞在するおつもりですかな?」


「神父様、そうですね...。和希、いつまでここにいるつもりなの?」


「...もうそろそろここを出るつもりだ。危険だがこの場所に留まっていてはこれ以上レベルが上がらないからな。俺たちの本業である魔王軍の侵攻を食い止める事ができなくては意味がないだろう」


「そうだね、でも次の戦争までまだ2週間以上あるよ?」


「2週間以上あるからだ。後3日程はここに滞在して研究を行うがそれ以降はここを出る」


「分かった。神父様。私も3日後にここを出て行くつもりです」


「ふむ...後3日ですね...」


 その時の神父の表情に違和感を覚えたのだが、ここはスルーしておこう。


「ところで、和希様は本当にあの【弱体術師】なのかな?」


「なんだ急に?」


「いえ、少し気になりまして...」


「まあ俺は確かに【弱体術師】だ。今更隠す事でもないな」


「そうですか...なるほど...」


 彼はそれだけ呟くと勝手に頷いている。


「なんだ? 俺はもう行くぞ」


「少しだけ待ってください、もう少し質の良い【聖水】をお渡しします」


そう言いながらちょっとだけ質のいい【聖水】と取り替えてくれた。


「...金はどうなる?」


「そのままで大丈夫です」


「そうか、礼を言う」


 そう呟いた後でそそくさと歩く俺に優樹もついてくる。


「あっ! 和希待ってよ!」


 あの神父と話していのがなんか嫌だったので直ぐに教会を出る。


 そして優樹連れて優男の書斎へと戻るのでした。

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