side沙和

私は悪い子である。みんなのことをダシに使ってしまった。私は翔にみんながクールな翔っぽくないと悪く言っているように伝えたが、本当は全くの逆だった。


「クールなのに勝負事になるとガッツあるってなんなの!?最高すぎない?」

「ギャップ萌え死ぬ」

「沙和……紹介して」


などと言っていたのだ。まあ、伝え方が良くなかっただけで、嘘は言っていないのだ。それに翔が褒められるのは嬉しいけど、やっぱりむず痒い。


あと、テンションあがって言っちゃったけどかっこいいって初めて言ったかもしれない。ずっと思っていたことだけど、改めて口に出すとやっぱり恥ずかしい。


翔に私の気持ちがしっかりと届いただろうか。私が翔にかっこいい所をみせるはずだったのに、今回もまた負けてしまった。


私が渡した飲み物をちゃんと飲んでいるのか確認したくて、翔が見えないところで観察していたんだけど、しっかりと飲んでくれていた。なんだが、嬉しくてニヤニヤしてしまう。


「嬉しそうですね、ストーカー先輩」

「うわっつった!?」


私の耳元で声がして、思わず変な声が漏れてしまう。発言主は我らがキャプテンだった。そして後ろには女バスのメンバーが大揃いしていた。


「……何?」

「いやー?こんな近くで恋愛リアリティショーが見られるなんてねー、青春だわな」

「べ、別に!?島の後輩を労ってただけだし」

「乙女だな……」


そうキャプテンがつぶやくと後ろの後輩たちはテンションの上がったドラマーばりに首を縦に振った。


私はからかってくる女バスの後輩たちを相手していると、翔の周りに先程まで試合を見ていた女の子たちが集まってきた。


「まってまって!先輩!ピンチです!先輩の愛しの翔くんがギャルズに囲まれてます!!」

「なんだって!?って、誰が愛しの翔くんじゃ」


言葉の節々にいじりを入れている後輩にツッコミを入れた後に、翔の方を見てみると後輩の言う通り、周りに可愛い女の子たちがいた。


この距離からは何を話しているのか、聞き取ることが出来なかったが、なにか盛りあがっているらしい。時々、笑い声があがる。


「先輩……私はもう見てられません。翔くんは寝盗られちゃいます。僕の方が先に好きだったのにっー!ってなりますよ?」


そんなことを言って急かしてくる。でも、何を話してるかも分からないのに、飛び出して女の子たちと話すの嫌だって……。


彼女でもないのにそんなこと出来ない。私には願うことしか。


「え、あ、で、でも!翔は私の渡したドリンク持ってるし」

「え、あのスポドリ、お守りかなんかだと思ってます?」

「スポドリ、持ってるし……」

「そ、そうっすね!スポドリ持ってますもんね!翔くんは先輩のこと思ってますよ」


なんで私はスポドリに好きって、大好きだって書かなかったのだろうか。もし書いていたら、翔の心の中は一時だけでも私でいっぱいにできたのに。


よし、いっぱいジャンクフード食べさせよう。太らせてやろう。


◆◆

久々の更新すぎてみんなに怒られてしまう……。

読み直さなあかんやんけって怒ってください。ごめんなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る