第18話 嵐の前に

嵐の前の

土砂降りの土曜日

約束の午後は

あと数時間

窓に激しく打ち付ける雨に

大きく溜め息をつきながら

キャンセルのLINEを

する指は止まってしまう


前に逢えたのは

4ヵ月前の5月

夏を超えて9月

アスファルトを

激しく打ち付ける雨に

私の胸が痛い


土曜日の朝

様子を見るねなんて

言ってはみたけど

嵐の前の雨

止みそうにもないよ


だけど

やっぱり

あなたに逢いたい

土砂降りの雨に

濡れてでも逢いにいきたい

嵐の雨の合間を縫って

逢いに行くねと

止めた指を動かす


ねえ

だから

ずぶ濡れになった私を

馬鹿だなあと笑って

受け止めてね

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