第8話 八月の空

八月の空は

雨に濡れた青色

滴る雫は 丸く

覗けば水平線さえ丸くなる


八月の空は

舞い降りた風

山並みの緑を超えて

遠い遠い街へと

届くだろうか


八月の空は

浮かんだ雲が

愛しい人の

横顔のようにも

見えてくる

だから

愛しい人に逢いたくなる

声を聞き

手に触れ

力いっぱい抱きしめて

何にもいらないから

あなたに逢いたかったのと

呟いてみたい


逢いたいのです

触れたいのです

八月の空の下で

待たせてごめんって

照れくさそうに笑ったら

抱きしめてほしいのです

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