第3話 幸せへと繋いでくれたもの

前を行く背中が

私を拒んでいたよ

言葉すら掛けないでくれって

言われているような気がした

繋ぎたかった手は

とても届かなくて

向かい側に座って

お喋りをしていても

どこか遠くを見ているよう

傍にいるのに

やるせないほどの

寂しさと哀しさを感じながら

あの時

恋が終わるのを知った


こんなふうに終わるんだね

積み重ねてきたものは

とても儚い

好きな人が出来たって言葉が

刃となって何度も

私の胸を刺したのを

あなたは知らない



あれから

何年過ぎたのでしょう

長い時間と月日が

胸の傷も癒して

ああ、あんなこともあったねと

笑って話せる思い出になった


幸せですか

心から笑っていますか

その笑顔が大好きでした

思えば

あの恋があったから

あの恋が終わったから

今の私がいるのでしょう

あなたの知らない人の傍で

笑う私がいる


だから、きっと

あなたの傍にいた日々

あの時も私は幸せだったんです

幸せの記憶が

次の幸せへと繋いでくれた

そう思っています

あなた以上に

愛してくれる人の傍で

私は笑っています

あの恋が終わった時の

涙は

もう残っていないから。

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