第12話
図書館に行けば、
大体のことはやり過ごせる。
本が私を待ってる。
本が私をどこか別の場所に連れて行ってくれるから。
カフェラッテを飲みながら
借りた本に目を通す。
なんか、あまり入ってこない。
こんなことはなかったのにな。
今まで。
夕方になった。
ピーポーピーポー
—-着信だ。
画面を見ると
秋川先輩だった。
「もしもし」
「おう!
今日誕生日だろ?
おめでとう」
欲しい人から欲しい言葉を
一頭初めに言われた事なんてない。
嬉しい、
嬉しいけど気を遣わせてるのかもしれない。
「ありがとうございます」
「あのさ、花火しようぜ
線香花火。
好きなんだろ?」
え?
え。ええ?
「え?」
「花火しようぜ。一緒に。」
「はい、、」
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