ナマ感覚

(晴れた土曜の朝)

柊「樹さん、今日はちょっと足伸ばして、郊外の広い公園行きませんか? きっと気持ちいいですよ」

樹「あ、それいいね! そうだ、フリスビー持ってこう! 少し前に買ったけど全然使ってないやつ。こういう時こそあれの出番だね」

柊「そうしましょう! これはいい運動不足解消になるな〜」


(公園。人もまばらで木立から爽やかな秋風が吹き抜ける)

柊「あー、やっぱ最高に気持ちいいですねー!

 じゃ、早速行きますよー。とうっ!(綺麗なフォームでフリスビーを投げる)」

樹「へいへい〜〜♪(フットワーク良くフリスビーを追い、美しいジャンプでキャッチ)」

柊「うお、すげー!」

樹「伊達に中高とテニスやってないからねえ♪ じゃ、いくよー。(美しい身のこなしで綺麗に投げ返す)」

柊「おりゃっ!!(俊敏にフリスビーに追いつき華麗にキャッチ)」

樹「おお! フットワークいいなあ〜♡ 柊くんは学生時代何やってたの?」

柊「バスケですね。別に上手いわけでもないですが部長でした。(と話しつつ美しくフリスビーを放つ)」

樹「あーいるいる、上手くないと言い張る優秀選手。柊くんらしいね〜。(喋りつつもスマートな身のこなしでキャッチ)

 僕はただでさえいろんな意味で目立ってんだから部長は辞退しろとこっそり周囲から圧力かけられたんだよね……意味わかんないよね(考え込みつつ美しく投げる)」

柊「(高くジャンプしつつキャッチ)あー、あなたの無自覚は昔からなんですね。じゃいきますよー、うりゃっ」

樹「余裕〜♡(またも華麗なジャンピングキャッチ)」


(そうやって投げ合い約10分後)

柊「(フリスビーを受け止め、ふと周囲を見て)……樹さん、心なしかこの辺さっきより人増えてません……?」

樹「……んー。僕もそう思ってた。

 ……気のせいかな」

柊「気のせいですかね」


(二人の周囲にわらわら女子ギャラリー)

女子軍『祭りもライブも長期間オアズケ食らったこのご時世、美形二人が眼前で華麗に遊ぶナマ感覚が尊すぎて死ぬ……!!!』


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