和風詩集

衣草薫創KunsouKoromogusa

碧葉ノ桜・舞降りん

そっと葉をつき差す陽の光 焦げ付く地を踏み込む

嘆く良からぬ日々もただ悲しく そっと風が吹き抜くだけ


一年の中で一番色の濃い時期

思い出すおとぎ話は もう絶対戻らないような

美化する過去は儚なく遠 く

あの日見せた あの日消えた

葉桜を背景にした

出来事は染み渡る永劫

続いていく道


あの時と同じ日々を思い描いて歩くのだ

同じ道をゆっくりと

思い浮かべて 触れる君への傷

触わるだけ 歌うだけ 微笑むだけ 感じるだけ


騒がないように

ただ泳ぐように

碧葉の元で思い出を探る

見えないから 聞こえないから

焼けそうになりながら

昼間を歩く

感じる 碧葉ノ桜 舞降りん


さざれ石の岩ヲとなりて

動物は動き回る

嬉しそうにただ真剣に

あの時のかけ声は遥か遠く

別の場所で叫ぶ「ファイト!」

葉桜は騙す事なく

あの時の言葉を繰り返す

「バイバイ また明日」


あの時と同じ日常を思い描いて繰返すのだ

同じ言葉を淡々と

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