第5の恋 平凡な恋
ー私はきっと君のヒロインになれなくて……ー
「ねぇキミにとっての私ってどんな人?」私がそう問いかければキミは少し困った表情を浮かべてた。そんなの私自身分かるわけないし中身だって外見だって普通の普通。
気がつけばいつも視線でキミを追いかけていつも気づけば見つめてた。この気持ちが届くとか届かないとかそんなことばっかり考えて……動くことが怖くって。
私はなんの取り柄もない平凡な女の子で。キミにとってのヒロインは私じゃなくてもっとキラキラした私なんかじゃ遠く及ばない……そんな子がきっとヒロインで。私ももっと可愛くなれば君に釣り合えるかな……?
こんな私じゃダメだって思うのはキミがそんなに素敵なせいなんだ。
「なぁ最近元気ねぇじゃん。大丈夫かよ」キミからふとかけられたそんな言葉。私は目を見開きすぐに「だ……大丈夫!」と答えた。この気持ちに気づいて欲しい。気づいて欲しくない。この2つの感情でもう押しつぶされてしまいそう。「っ……ねぇ!」気づいた時には私はキミを呼び止めて。「もし……もし私が好きだって言ったら貴方はどうする……?」なんて言って。キミは少し赤くなった顔で私の方を見ていた。私は慌てて「う……嘘だよ!」って告げて屋上へ逃げた。
あと一歩が踏み越えられないのはどうしてだろう……友情だけじゃ終わりたくないのに。「あぁもう!意味分かんない!」感情がこだましてこの気持ちが抑えきれない。初めての恋初めての気持ち。もっと素直になれたら……もっと気持ちをちゃんと伝えられたら結果は変わるのかな……?そんな事を考えていれば屋上のドアが重たい音を響かせながら開いた。そこにはキミが立っていて。「見つけた。」と告げてきた。
「な……んでここに……?」
「クラスのヤツらに聞いたんだよ。」
「そ……うなんだ。」
「なぁさっきのだけどさ……」
「っ……!忘れて!嘘だから……嘘だから忘れて……」嘘。違うの。嘘じゃないの。キミが好きなの。忘れて欲しくない……「俺の気持ちは無視かよ。俺にもちゃんと言わせろよ」期待していなかった言葉をかけられ私は目を見開いた。
「俺お前のこと好きだよ。友達としてじゃない。この意味ちゃんと分かる?」
「う……うん……」
「じゃあもう1回。お前の気持ち聞かせてよ」
「っ……あのね私……貴方のことが________」
「あぁ。俺も________」
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