第12話 四重④ ~二口女~
そう言うとチン之助は、二心一体の二口女とつながったまま、立ち上がった。先程まで土気色をしていた肌には艶が戻り、筋肉が隆起している。体勢を大きく変えたことで、肛門のエネマグラがぽろりと落ちた。
ミナミは落ちないよう両腕を首に回し、両足を男の背中に回してクロスさせた。
彼女の張りのある乳房と固くなった乳首の感触を、チン之助は厚い胸板で感じる。
「また、固くなってる! それにこの体勢、ん、すっごく、深い……」
「そうだ、しっかり掴まってろ。それにサイカ、君ももっと楽しめ」
チン之助は右手を抱き寄せた女の頭の後ろに回すとバイブを掴み、サイカの口のなかで前後させた。一往復ごとに大きな口からよだれがダラダラとあふれる。
「おご、おぐ、ふぐ、あぎ、んぼぉ!」
「あん、は、はっ、ん、ダメ、んぁああ!」
サイカの苦しそうな声と、ミナミの嬌声が講堂に響く。
「アタマと、アソコ、どっちも犯されて! こんなの、初めて、あァ! ん、イクイク、ボクいっちゃう!」
ミナミがチン之助にしがみつき痙攣した。深くイッたようで完全に身体を立っているチン之助に預けてぐったりしている。
「この時を、待っていた」
彼はそう言うとサイカの口からバイブを引き抜いた。彼女が酸素を取り込むために大きく息をするのを尻目に、チン之助はバイブを見る。
黒いバイブは、サイカの唾液でぬらぬらと光っていた。
「ふむ、これなら、大丈夫そうだな。サイカ、ミナミ君はお尻も使えるのかい?」
「はー、はー、え? ああ、開発済みだぜ。……っておい、まさか!」
「もちろんだ」
チン之助は自身とつながったままのミナミの尻に手を伸ばした。左手で尻たぶをつかむと、右手でお尻の出入り口に当てた。
「え、ちょ、ちょ、そこ、お尻!」
ミナミがまだ少し呆けた声で言う。構わずチン之助はバイブをアヌスにゆっくりと挿入していく。何とか止めたいミナミだが、ペニスとヴァギナを支点に縫い留められているため床に降りることが出来ず、手足を離せばひっくり返ってしまう。いわゆる詰みの状況だ。
「お、おぅ、ああ、お、おぉお!」
言葉にならないミナミの叫びを背景に、ズブズブと彼女の尻穴がバイブをくわえこんでいった。
「ふう、あらかた入ったか。おっと」
不意に立ちくらみが襲い、ミナミを抱えたままのチン之助はたまらずよろける。ミナミの充血した膣口から、半立ちのペニスがズルリと抜けた。
今日は四人を抱いて四回イってるんだ、無理も……いいや、そんなことはないね。
言い訳しそうになる自分を奮い起こす。
「がんばれ負けるなチン之助。俺はまだまだできる! 女が待つ限り、夜が続く限り、俺は絶対衰えない!」
チン之助が一言言うたびに、チン之助のペニスは硬さと角度を取り戻していった。
「ボク、降りる……」
尻にバイブを入れた状態で男の体にぶら下がるのは限界だったのだろう。ミナミは床に足をつくと、ヨロヨロとした足取りで二、三歩進み、長机に手をついた。
情けなく突き出された、無防備な尻を舐めるように見る者がいる。
もちろんチン之助だ。
ズン。
立ちバックの姿勢で背後からイチモツを挿入する。
「あうっ!」
杭を刺されたかのようにミナミの背筋がピンと伸び、まくりあげられていたニットのセーターがパサリとおりた。
「ま、待って。腟内(なか)で、おちんちんとバイブが、擦れて……」
「分かった、優しくしてやる」
言いながらチン之助は腰を使った。ミナミは自分の足で立っていられないのか、すがりつくように長机をつかんでいる。
「もっと、優しく。あぁン、無理無理。あぁ、イッちゃう、ボクまたイッちゃうよ。ん~、あぁぁ!」
ほとんど倒れ込みそうになりながらも、膣に深く刺さったペニスと、関節が白くなるほどに強く握りしめた机のへりで何とか彼女は立っていた。身を捩ってチン之助を振り返る。
汗で乱れた髪。トロンとした目。熱い吐息。
チン之助は身震いして挿入を再開した。
「あぁんン! あっ、あっ、あっ、どうしてぇ。ボク、今イッたばかりで、敏感、なのに。あ、また、また!」
ミナミが膝をがくがく震わせるが、チン之助は構わず尻を突き続ける。ニットの下で豊満な乳房が暴れる。
逃げようとする彼女の腰をがっしりとつかんで挿入を繰り返しながらチン之助は言った。
「ミナミ君は自分に魅力がないと言うが、この身体も、顔も、心も、こんなにキレイで可愛いじゃないか」
「そうだぜ、いつもオレが言ってるだろ。だからもっと自信を持って──」
「自信を持つのは君もだ、サイカちゃん」
サイカの言葉にチン之助が重ねて言った。
「君たち二人が一つの身体にいることが、とてもチャーミングで魅力的なんだ」
「で、でも、オレなんかガサツだし、でかい口してるだけで頭洗うときは邪魔だし」
「その代わり、こうしてキスが出来る」
チン之助は立ちバックの姿勢で二口女を抱きかかえ、頭の後ろのサイカに気持ちのこもった接吻をした。
激しく舌を絡ませるでも唾液を交換するでもない、ごく普通の接吻は長く続いた。
「俺の気持ちが、伝わったかな」
「ああ。……そもそも、誰かにキスされるの初めてだしな」
「そうか。俺が初めての相手になったわけか」
「ケッ。男ってのは初めて好きだな」
「君のような素敵な女の子の前じゃ誰だってそうなるさ」
そのやり取りの間も、チン之助の腰は止まることがなかった。
ミナミが情けない声を出す。
「もう、ダメェ。ボク、ムリでしゅ、気持ちいい、気持ちいいの。おまんこが、おしりが。またイッちゃいそう」
ミナミの敗北宣言とも取れる感極まった声を聞いて、チン之助も一気に射精感が高まった。
「ああぁぁぁぁああ! 急に激しく、そこ、んん、ぁん、や、子宮当たってる。奥ダメ! アナルもダメ! 気持ちいとこが擦れて! おかしくなっちゃう、あぁあ、ダメ、だめぇぇええ~~~!!」
チン之助の射精と同時に、彼女は膝をガクガクさせてひときわ派手に果てた。チン之助が支えてやらなければ机に頭からぶつかっていただろう。
しばし余韻に浸った後、ミナミを抱き上げて布団に運び、尻のバイブを抜いてやる。
「あぁぅ」
アヌスと膣のどちらもポッカリと口を開けて、ヒクヒクと震えている。ミナミは弱々しく右腕をあげて笑顔を見せた。
「チン之助さん、ボク、すごく気持ちよかった。四重の突破を認めます」
その言葉を受けても、チン之助は無表情のまま、仁王立ちで彼女を見下ろしている。
「……あれ、チン之助さん? 最後までしてくれてボクすごく嬉しかった。もう五重に行っていいよ?」
どうやら彼女は一人になってイッた快感や最後までした充足に浸りたいようだ。相手がもう続ける気がないのにセックスをするのは、チン之助の流儀に反する。
だが。
「……ふむ」
たっぷりの沈黙の後、チン之助は口を開いた。
「ミナミ君はそう言っているが……サイカちゃん、君はどう思う?」
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