第32話

「 ゆずきちゃんに嘘は言えない…じつは、あの時ひとつしか買えなくてさ…タマゴ人気だからね 」


「 やっぱり…ハーフあんぱんしか食べてないんでしょ? 」


「 え! 何で? 」


「 あの時お友達と話してたの聞いちゃったんだよね…大野のお腹すかせてしまったね、私のせいだ……ごめんなさい! 」


「 なんで謝るわけ?ゆずきちゃんのおかげでここへ来れたわけだし、一緒に食べれるだけで僕は嬉しいよ…美味そう!ほら早く食べよう! 」


『 シュルシュルシュル 』


「 マジうまいッ!お腹空かして来て正解!」


「 でしょでしょ! ふふッ… 」 ハッ!…

 

和んでしまった…


これじゃまるで 側から見たらカレカノじゃない…


「 ほんとはさ…返したくて… 」


まだ言ってる…けれど…


この前もうちに来てママに門限のこととか言ってくれてたし


「 君とはづきちゃんとの時間を返したかったから…けど、僕なんかじゃかえって迷惑だったよね 」


そんなことを考えていたの!?


あの時言ったことを忠実に…


真面目に返そうとしている…


それなら…


もう一つ…


私から奪ったものが残っている


キス…


ファーストキスは…


どうするつもりなの!?


「 ゆずきちゃん? 」


「 え?はい!?…キ…え?…何?… 」


「 早く食べないとのびちゃうよ 」


「 あ…うん… 」


まだ…ラーメン食べてないのにもう既に顔が熱くなって来たのはなぜ?


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