制圧完了

「なんだって?複数の高校での同時襲撃?」


 竜の瞳のメンバーが警察と探索者に連行されている中で、警察の人からとんでもないことを聞いた。


 それはこの高校だけでなく、この辺りの高校すべてに竜の瞳が同時に襲ってきたということ。その事を一緒に聞いた中本さんも驚愕にその顔を染めている。


「はい。ですが、既にこの学校を除いた、すべての学校を襲撃したであろう竜の瞳の構成員達は逃亡。

 我々も【追跡】スキル持ちの探索者の協力のもと追跡をしましたが、あちらにも【妨害】スキル持ちの構成員がいたようで、途中で見失ってしまいました」


「そんなことが……」


「はい。ただ、どこも連れ去られたなどの被害はなく、怪我も抵抗しようとした生徒が殴られるなどの軽症程度です」


 なるほど……つまり、今のところは拉致されるなどの被害者はいない。怪我も抵抗しようとしたからということか。


 どういうことだ?


 竜の瞳の目的は18歳以上のステータスを持った学生を他の国に連れて行くことで、売ることが目的だと思ったんだけど。


 ……え?本当にどういうこと?









 その後、いくつか警察の人から情報をもらってから俺達はすぐに帰宅することになった。


 さすがに今日はもう疲れた。帰ってゆっくりしよう。


 結愛や凛達からも連絡がきて心配されてたので、とりあえず大丈夫だと伝えておいた。


 結愛の方は所属しているアストラルがいろいろ動いてるらしく、しばらくそっちと一緒に行動するらしい。

 ……社畜……南無三。


 さすがに巻き込まれたからには、またなにかに巻き込まれる前になんとかしてほしいって気持ちがあるけど、そこは警察等々に期待するとしよう。


「さてと」


 家に帰ってきた俺はリビングのソファーに座って、一息つく。今日は本当にいろんなことがあった。


 説明会に参加したし、なぜかそこに竜の瞳が攻めてきた。


 なんだこれ。


 ニュースを見ても、特集が組まれたりしているけど、ろくな情報は得られない。


「仕方がない……少し調べるか」


 俺はスマホを使って、竜の瞳について詳しく調べてみる。


「お、これかな」


 俺はスマホで竜の瞳についての記事を見つけたので読んでいく。


 まず、竜の瞳とは、主に日本で活動している犯罪組織で、主な活動内容は誘拐した人間を他国に売りつけるというものだ。


 誘拐された人間は様々な国に連れてかれるが、その後の行方は不明。基本的には、なんでこんなところに日本人がという現地人の疑問から保護されるらしいがそれでも現在になっても見つかっていない人もいるらしい。


 そして、竜の瞳のトップであるリーダーの名前は大城透というそうだ。


 一応国際指名手配もされてるらしく、かなり危険人物扱いされているようだ。リーダー以外のメンバーについてはそこまで多くはないが情報が出てきていた。


 リーダーの大城は、確か29歳ぐらいだったはずなので、年齢的に30歳前半といったところだろう。

 そして、幹部達の名前は──


「『剣豪』、『拳王』、『狙撃手』、『魔法使い』、『侍』……?」


 ──省略するが、二つ名というかコードネームみたいなものはこんな感じだ。歳も大城と似たような歳だろうな。


 ……だけどなんだこのちょっとショボいって感じは。


 正直もっと上位レベルのテレビで取り上げられるような探索者の方が、強そうな二つ名をしてるのもあってそこまで驚異に感じづらい。


 二つ名からどんな戦闘スタイルかはわかりやすいし万が一遭遇したとしても、対処はしやすいだろ。


「だけど、思ってたよりも厄介だな」


 ここ数年竜の瞳が関係してるような事件は起きていないが、まさに今日活動しているのを見た。というか巻き込まれた。


 これはしばらく警戒した方が良いだろうけど……なんだろうこの引っ掛かる感じ。


 なにかを見落としている気がするんだよなぁ……








 まあ、いいか。今は考えていても仕方ない。


「明日からはまたレベル上げだな」


 竜の瞳と関わることはないはずだけど、備えておくのは大事だからな。


 まあ、その事は明日の俺に任せよう。

 さすがにもう眠……zzz

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