テンプレ嫌い? 音楽で考えてみな!

 さ〜て、たまに真面目にやりますか! 今回は音楽で解説するから、いつ運営様に怒られて創作論ごとなくなるかもしれないから、そのつもりでね……ギリギリのライン探りながらスタート!


 ◇


 まずね、今の日本の主流の音楽を考えて。歌詞と楽曲に分かれるよね。で、伴奏、楽器で鳴らす方ね。あれには『コード進行』って言う、こうやると気持ちよく聞こえるよっていう伴奏の順番があるんだよ。


 有名なのが『カノン進行』って言ってね、有名な曲の7割くらいは、Aメロとかサビとかに使われるの。他にも何種類も「○○進行」ってのがあってね、それを組み合わせながら作曲してるわけ。


DTM(デスクトップミュージック)の方なんかは、楽器引けません、楽譜読めない、などと言いながら平気で音楽作ってる人もいるの。

 それは、コード進行という、過去からの積み重ねられた音楽界の財産『音楽理論』をちょこっとかじっているから。コード進行知らなくて音楽作れるなら作ってみろ! っていうのと同じでね、創作論、創作の基本を知らない、いらない、個性がなくなる、って言ってる人は……はぁ~~~~。


 ◇


 めんどいから、創作論なしで書けると思ってる人は読まないでね。読んだら、これからいう理論使わないでオリジナルな理論打ち立てて、斬新な小説書いてください。


 テンプレとはなにか。

 日本語に訳しましょう。そう、「ひな型」です。


 手紙の書き方→ひな型

 結婚式の挨拶→ひな型

 新聞の事故記事→ひな型

 新入社員の挨拶→ひな型


 世の中、ひな型であふれています。それで困っていません。むしろ大切にしています。テンプレ最高! です。


 小説を書くにあたって、でも、ストーリーの組み立てが って人は他のテンプレから学んでみましょう。そう作詞法です。売れてる歌はどういう構成になっているのか。それを小説に当てはめればいいのです。パターンを知る。そこに成長の糸口があるはずです。迷ったらほかの芸術と対比。大事です。


 ◇


 まず、基本。昭和歌謡、特にアイドルで難しくないやつ。こうです。


 Aメロ Bメロ サビ Aメロ


 これを1番として、2番 3番と歌詞を当てていく。

 小説で言えば


 Aメロ起 Bメロ承 サビ転 Aメロ結

 起承転結ですね。


 Aメロだけの歌もあります。民謡とか。

 ソーラン節なんかはそうですね。

 お囃子 Aメロにしん~波に聞け お囃子 Aメロだけです。

 美空ひば〇の古い曲にもあります。

 文学では、「1行詩 三行詩」などに当たります。


 Aメロ Bメロ だけ

 ビート〇ズの 「レット イット ピ―――」 危ない! ピーという警告音でかき消されました。セーフなはずです。

 Aメロ Aメロ Bメロ B メロです。

 他にも ゲ〇戦記の、テルーさんのとか。あれは谷山浩子様でしたね。みんなのうたでは、まっくらい森のソングとか、風見鶏が恋する歌とかもそうですね。

 文学では、良質の短編や、ショートショートなどに使われています。


 Aメロ Bメロ サビ

 曲思いつきませんが、あるはずです。

 文学で言う「序破急」がこれです。



 さて、基本起承転結に飽きてきた音楽界は、基本パターンをいじり始めます。

 簡単なのは、配置換えです。


 サビ Aメロ Bメロ サビ Aメロ


 サビから入ると印象的ですね。オープニングにクライマックスを持って来よう。どこかで聞いたテンプレではありませんか?


 Aメロ Bメロ サビ 転調サビ 


 サビを繰り返す。しかも転調! クライマックスを更に盛り上げます。


 1番 Aメロ Bメロ サビ Aメロ 2番(繰り返し) Cメロ サビ

 1章、2章と同じ展開に見せて、急にメランコリックな曲調の変わったシーンをはさみ、オーラスへ向かう。より盛り上げるためのテクニックですね。


 こういうことを繰り返して、途中ゴスペル入れたり、ラップはさんだり、転調繰り返したり、サビの後に大サビって概念作ったりしてきたのが今のヒット曲です。


 しかし、どこまでやっても、骨格は変わりません。Aメロ Bメロ サビ Aメロ 起承転結です。足し引きしているだけです。


 つまり、自分の作品が平凡で何とかしたい、と思った時、自分がすきな曲の構造を借りて、展開を当てはめてみればいいのです。どこが不足してるか。盛り上げるためにはここを入れよう。そこに気づけば、作品に深みや勢いが出てくるのではないでしょうか。



 がちがちに逃れにくい、コード進行や歌詞の配列パターンをきちんと利用しながら発展してきたのが音楽ですよ。コード理論など分からんと投げたら入り口にも入れてもらえないのですよ。カノン進行だけで、何千何万の名曲が出来上がるのです。


 文学の創作論も、そのような視点で見て欲しいものです。



 で、今のテンプレ批判。分かりますよ。言いたいことは。

 出来が良すぎるんです。なろう系のテンプレ。

 だから、新作は3話までは楽しく読める。10話で辛くなる。新作探す。これの繰り返しですからね。テンプレが悪いのではなく、テンプレ後をうまく書けない人が多すぎるのが問題なのです。


 創作というのがわかってないだけなんです!


 とりあえず、創作論でも読んどけ! テンプレに甘えるな。

 言いたいことはそれだけです。

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