Love♡professor ウイング♡エッジ

美恋

第1話  旅立ち


明朝奏でる閃光が射したる時、新たなる希望を探し求めるために、巨大な帆船が大海原に向け出航した。


来る日も、また来る日も、荒波に臆することなく、碧く連なる膨大な水の壁を掻き分けながら、ただひたすらに西方の海を目指して突き進んでいた。


波の静まり返った朧月おぼろづきの夜には、潮の香りに酔いしれながら子守唄を奏でてくれる白い飛沫しぶきと戯れ、親愛なる人を想いながら天に輝く星を見据えていた。


それは、航海が始まってしばらくしてからのことだった。


見渡す限り、青と蒼の狭間の世界の中、水平線を眺めながら、遠く故郷の海を懐かしんでいると、天を白く染めた無数のうみ鳥達の騒がしい鳴き声が、南風と共に静止した時だった。


一羽の巨大な黒鷲が、空の遥か彼方より稲妻の如く現れたのだ。


その直下より笛の音が聞こえてくる、と同時に、その黒鷲に追われているのだろうか、見るからに小さな白い一羽の鷹が、逃げ回るように慣れない翼で円を描いている。


なにごと?


『 バサバサッ!! 』


黒鷲に捕らえられそうになった白鷹は、運良く逃げ延びたかに見えたが、そいつはとうとう力尽き果てたのだろう、俺の胸に向かい急降下してきた。


追っていた黒い鷲は、自分で見つけた獲物を逃がすまいと、白鷹を追いそのまま飛び込んできたのだ。


「 シャーッ バサバサッ! 」


「 エイッ ヤアッ! 」


    

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