めおと浄瑠璃
ミコト楚良
序 海見晴るかす
「あれゃあ、なにをしとるのですか」
少年は、田んぼのあぜ道をうろうろしている役人の一団を指差した。
「
師は、その幼い体ごと両腕で包んで、指差した手を下げさせた。
「今までは、てんでバラバラだったことを統一しなさった。一坪(約191cmの正方形の面積)は一歩。
天正十八年九月。
半島の南岸に、師の寺はあった。
今日も海には
「
「新しい殿さまというのは、どんなお方ですか」
弟子は屈託なく聞いてくる。
師は、少年にわかるように言葉を選ぶ。
「――
師は弟子のために拾った小枝で砂地に、おおまかな地図を描いた。
自分たちのいる半島、徳川さまの領地であった東海道筋の要所を小枝で指す。
「この地は腹心の武将を配置して備えを固めねばならない。そう
――
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