◇真実◇ 二〇二〇年 八月二十一日 金曜日(晴れ)

 頭が少しだけ痛い。もう後戻りはできない。日記に書き込んでいる今も心臓の鼓動が徐々に早くなっている。この後は斎藤健二が白骨遺体を運んでくる。明日になれば、もうこの世に私はいない事になる。春人君に会いたくて今にでも泣きそうになってる。春人君と過ごした夏休みは私の中でかけがえのない宝物だ。おかげでこの先、どんな酷い事態に遭っても私に勇気を与えてくれて、どんな困難にも立ち向かうことができる。春人君にお別れを言えなくて本当に残念だけど仕方がない。さっき春人君に向けてショートメッセージを送っておいた。これは私の願望だけどいなくなった私のことを探してくれたら凄く嬉しい。いつか春人君が会えたらいいな』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る