0821
以前、祖母が残した手書きの文章をPCで入力して、それが完成したものをプリントアウトした。別の機会に、もう一人の祖母の姉妹が残した文集をPCで入力して、こちらも活字化した。ぼくがこれらの経験から得たのは、時代も性別も違う、二人の女性の人生のごく一部を追体験できたこと。それは本当に貴重なことだった。そしてそれは文章だからこそ可能だった部分もあるとおもう。二人ともぼくが大人になってそれをじっくり読むということをおそらく想定していなかった。でも、文章になっていたその言葉たちは、生きる時代も違うぼくの心に届いた。文章を書くというのは、ある種、孤独を引き受けることだとおもう。いろんな日常があり、家族や友人、知り合いたちと言葉を交わす時間はあっても、文章を紡ぐとき、そのとき、そのひとは、自分の心と対話している。その時間、たった一人だけの時間を引き受けている。でもだからこそそうやって紡がれた文章は、時代を超えて、書き手の意図を超えた形で、誰かに届くことがある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます