救済の絵画 2021.8
路傍の石に雷が落ちる
石は四つに分裂した
生を呪った数だけ
昨日の骸が積み上がる
砂上の月はどろり
開かれたあなたの目は何も映さず
咎人の旅路に幸あれと
願う声は未だ虚ろ
一欠片の偶然があなたの足を止める
拾う手は実体を持たぬ
胸中巻いた目隠しを
いつか解く日が来るまで
石は沈黙を守っているのだ
あなたは机上一人泣く
愛しき隣人は眠ってしまった
大地の叫ぶ生命賛歌を
かき消すように雨が降る
世界を切り取る絵画の奥
まだある救いに手を掛けた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます