第17話 本当に愛なんていらねえのか、夏

 ここ最近、このエッセイでヘイトスピーチが多発しているのであまり過激な発言を避けようと思っているのだが今回ばかりは言わせてほしい。私は夏が嫌いだ。


夏が苦手とかじゃなく、夏が嫌いだ。


日本には四季があり、春夏秋冬それぞれに美しさがあるとか言われるけど日本以外にだって四季はあるしその国それぞれの四季に魅力はあるでしょう。


夏には夏祭りとかプールとか花火とかキャンプとか登山とかあるじゃん、とか言われても私はバリバリのインドアなのでただただ暑いだけの季節だ。


夏祭りとか言われてもいい歳したおじさんが夏祭りに来てベンチに座ってかき氷とか食ってたら嫌じゃない? 私は嫌じゃないけど、ほら……世間一般的におじさんって人権無いじゃん?


おじさんってだけで後ろ指さされたりするらしいし……おじさんになってからの方が人生って長いのに、おじさんってだけで叩かれて……まぞくみたいで可哀想!


そんなんだからおじさんは歪んでしまうんだ! 世間はもっとおじさんに優しくしてほしい。


まあ、今はそんな事はどうでもいいんだ、重要なことじゃない。



私は代謝が激しい人間らしくあり得ない量の汗をかくわけで、特に普段は肉体労働をやっているせいで滝汗状態。


時には視界を奪われるレベルの発汗で困ったりする。


タオルを持参してもタオルが汗でベシャベシャになるわ、タオルで汗を拭いてもシャツが汗でグショグショになるわ……ちなみに私が働いている現場には更衣室はありません!! いや、嘘だろ……


ちなみにちょっと前、フライパンで熱される鶏皮みたいな気持ちになるほどの炎天下で段ボールを積み続ける作業をやったのだが身体から海水みたいな臭いがした。


汗を吸い尽くしたシャツからそんな臭いがしたのではなく、肌からそんな感じの臭いがした。


頭がくらくらするし、体はフラフラだし「ああ、これが夏の香りってヤツなのかな」って無理やり納得そうになったけども「いや、普通に悪臭やんけ!!」と正気に戻った。


更に言えば私は虫が苦手だ、インドアなので虫に慣れていないのだ。


しかも蚊に刺されやすいし、蚊に刺されなくてもとにかく汗疹が出来やすいから慢性的にもうあちこち痒い。


今だってこのエッセイをかきながら手首をポリポリ掻いている、そのうち流血しちゃうんじゃないかってくらい痒い。助けてください。


汗をかきやすいという事は蒸れやすいという事なので、股間が大変なことになる。大変なことになるという事はそう……歩くたびに激痛が走るというくらい大変な事になるのだ。


夏は股間が痒くなるとか、もうそんな次元を超越している。ムヒとか塗ったら悶えながら転げ回りそうなくらい痛い。


暑い、痒い、虫、電気代かかる、外出たら死ぬ、子供の頃と違って夏休みがない。



夏……料理とビールが美味いくらいしかメリットがなくないか!?


っていうか、暇と金があるヤツくらいしか夏を楽しむ事って出来なくないか!?


そもそも登山は滑落しかけた事あるからやりたくないし、海はあんまり好きじゃないし……花火くらいしか素直に楽しめない。


私はどうでもいいところでATフィールドが分厚いので、お祭り騒ぎってのが苦手なのでお祭りは屋台の食べ物を食べたりくじ引きをする場所なのでお祭りを十全に楽しんでいるとは言えないだろう。



まあ、夏が嫌いなだけで夏はクソ!とか言う気はサラサラないが……私は夏に向いていないのだろう。


さっさと夏、終わらないかなあ……9月末くらいまで暑いから私にとっては夏なんだよなあ。

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